ついに始まった……“公共メディア”目指すNHKが強行策を示唆「スマホユーザー全員から受信料を徴収!?」
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NHKは15日、2015年度からの3カ年経営計画を発表した。「公共メディア」への進化をうたい、今後3カ年で受信料支払率を現計画の75%から80%に引き上げ、このうち衛星契約の占める割合も50%程度に増やすという。NHKの契約数は増加し続けており、2014年11月末の段階で合計契約数は4,189万4,753件。年間6,345億円(平成25年度)の収入を得ている。とはいえ、伸び率は鈍化しており、今後の急成長も見込めない。そこで、NHKの籾井勝人会長は新たな課金方法として、ネット課金に乗り出している。
これは、NHKのコンテンツをネットでも配信し、それを閲覧できる環境があれば受信料を徴収するというもの。国内のネット利用者数は9,652万人で、人口普及率は79.5%。今どきの若者は、家にテレビはなくてもスマホは持っている、というケースも多い。簡単に収入倍増が可能で、NHKにとっては金の山に見えているのだろう。しかし、これはもはや国民に対する義務化に等しい。
昨年の段階では、3年以内にネット課金を実現するつもりだったようだが、もちろん時期尚早。今のところ、NHKの番組をネットでも同時に放送することはNG。同時放送のためには、放送法を改正する必要がある。そのため、今回の3カ年経営計画には盛り込まれず、検討事項となった。
すでにNHKは「NHKオンデマンド」というアーカイブサービスを提供している。同時放送を実現したとして、見たい人から課金すればいいだけでは、と思うことだろう。NHKの狙いはサービスの充実というより、それを名目とした集金。放送法の第64条では、テレビを受信できる設備を設置した人はNHKの契約が必須になるが、ここにネット接続できる設備を追加したいのだ。もし実現すると、法律のバックアップがあるのだから、一般人には対処のしようがない。
実現させたくないなら、一致団結して反対の声を上げればいいのだが、そううまくもいかない。例えば、NHKがこの春からいきなりネット課金、全員月額2,000円、テレビとは別契約、などという暴挙に出てくれれば、一気に反発の機運が高まるので望むところ。しかし「ネット課金するかも」という方針を小出しにし、今回の経営計画では研究課題とするなど、ジャブを連打している。これをずっとやられると、反対の勢いが削がれてしまう。
突き詰めれば、NHKの大株主は政府といえる。フェアな政治家が多ければ、ネット強制課金という事態には陥らないだろう。やはり、一人一人がきちんと問題を意識して、自分の意見を持ち、選挙に行くことが大切なのだ。
(文=柳谷智宣)
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