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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 伝説の超ご都合主義ラブコメ漫画
じゃまおくんのザオリク的マンガ読み

「そんな偶然あるわけねーだろ!」突っ込まずにはいられない、伝説の超ご都合主義ラブコメ『くおん…』

 麻琴は、普段は真を叩いたり殴ったりしてツンデレぶりを発揮していますが、実際は真のことが好きだったのです。一方、真は学園のマドンナ理乃ちゃんに首ったけで、麻琴の気持ちにはまったく気がつきません。そんな悶々とした状況の中で一つ屋根の下の兄妹になってしまい、好きとは言えない関係に……。どうですか、実によくできたラブコメになってきたと思いませんか?

 天文学的な確率の偶然は、まだ続きます。久遠家の隣に、ある一家が引っ越してきます。その家のイケメン少年の名は紅御悠矢(くおんゆうや)。これが意味することが分かりますでしょうか? つまり、ほぼ同一エリア内が「くおん」姓だらけになったのです。どこの村社会ですか、ここは。

 この悠矢は真と麻琴が通う学校の同級生となります。イケメンであり、なおかつサッカーも天才的にうまく、女子にモテモテの悠矢は、学園のマドンナ理乃ちゃんを口説こうと接近。つまり、真の恋敵としてレギュラー登場するようになるのです。いやぁ、実にラブがコメッてますねえ……。

 この三角関係は理乃ちゃんと真の両想いにより決着するのですが、敗れたイケメン悠矢は、今度は麻琴にちょっかいを出し始め、“自分の妹に、何ちょっかい出してんだ”と心配する真が、次第に麻琴の気持ちに気づいていくという……抜け出せない泥沼のような展開となっていきます。春風のように爽やかな絵柄で、昼ドラのような複雑な人間関係、度重なる天文学的な偶然、加えてほんのちょっとの思い出補正……これらの要素が奇跡的な融合を果たし、知る人ぞ知る伝説のラブコメへと昇華した作品、それが『くおん…』なのです。

 ちなみに『くおん…』は、川島博幸先生の名義で出している初期の単行本全2巻と、鷹城冴貴と改名した後の愛蔵版の2種類が存在しますが、川島先生名義の単行本1巻の表紙に描かれている女の子(たぶん麻琴)がボブ・マーリーを凌駕する勢いの毛髪量でものすごいインパクトがあります。これだけでも一見の価値ありですよ。
(文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん<http://ablackleaf.com/>)

最終更新:2019/11/13 17:23
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