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日刊サイゾー トップ > 社会  > 中国で危険な「渡り廊下」が続出
建築基準なんて関係ない!?

高層化が進む中国都市部で、危険な“渡り廊下”が続出中「強風で飛ばされる」「泥棒天国」

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 広西チワン族自治区南寧市の住宅街で、隣り合う高層マンションの、それぞれ15階と14階部分をつなぐ渡り廊下が、違法建築だとして物議を醸している。廊下はごく簡素な作りで、強度に不安があり、「強風が吹けば飛ばされるのでは」と周辺住民は危惧している。


 重慶市でも、マンション13階部分と丘の中腹を結ぶ渡り廊下が話題となっている。この渡り廊下は幅2メートル、長さ約30メートルで、地面からの高さは最高40メートルにもなる。ネット上では「地震が来たら終わりだ」「渡り廊下で窓が塞がれた部屋の眺望はどうなるのか」「泥棒天国だ」などの声が上がっている。なお、建築上の安全基準を満たしているかどうかは不明である。

 安全基準や眺望権を度外視した違法建築物が乱立する中、習近平国家主席も「これ以上、奇妙な建物を建て続けるのをやめるべき」と発言。昨年3月には、西安市の住宅区に出現した渡り廊下が、危険として撤去命令が出されているが、実際はイタチごっことなっているようだ。

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 このような危険な渡り廊下が続出する背景について、中国在住ライターの吉井透氏は話す。

「中国では、親族で固まって近所に住み、互いの部屋を行き来する人が多い。そのためか、高層マンションのエレベーターは慢性的に渋滞しており、徒歩1分のマンションの親族の部屋に行くのにも、数十分かかる場合もある。そこで、同じ敷地内にある別々の棟を渡り廊下で結ぶという改築工事がよく行われている。ただ、それぞれの壁をぶち抜いて橋をかける後付け工事なので、強度については疑問。私は絶対に利用しません」

 人口密度が高まる一方の主要都市では、人々の生活空間はまさに天に届く勢いで高層化しており、今後も危険な渡り廊下は増えるとみられる。くれぐれも、崩落事故が起きないことを願うばかりだ。
(文=牧野源)

最終更新:2015/08/27 12:26
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