『殉愛』大ピンチ!? 百田尚樹氏が“取材していない”たかじん周辺から新証言続々で……
#出版 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
彼女は彼のためにステーキや生姜焼き、肉じゃがなどを作る。黙々と食べる健さん。終わると、いつの間にか食器を洗ってくれていた。
「とにかく、時間のあるときには、映画を観るか(マンションに小さな映写室があった=筆者注)、腹筋や腕立て伏せをしているか、あとは洋服の整理(笑)。セータを畳んだり、シャツなどを並べたり、整理整頓が趣味のような人でした」(同)
健さんは警察無線や消防無線を聞くのが好きだったという。児島が茶目っ気たっぷりにヌードダンサーの真似をすると、顔をほころばせ手を叩いて子どもみたいに喜んだそうだ。
「ある日、彼に膝枕をしてあげたら、彼はふいに、『幸せだなぁ。こんなに幸せでいいのかなぁ……』驚いて彼の顔を見ると、目に涙まで浮かべていたんです。膝枕ぐらいで泣くなんて、と驚くと同時に、『普通の幸せを、こんなに恋しいほど求めている人なんだ』と、私まで切なくなって……」(同)
スーパーへ一緒に行って、児島が買い物袋を抱えてクルマまで戻ってくると、こう言ったそうだ。
「剛ちゃんはこういうことがしたかったんだ」
それほどまでに彼の生活は孤独で、ストイックだったと児島は話している。
そんな生活が300日続いた。だが2人のことが芸能誌で報じられ、健さんから「しばらく会えない」と言われ、世間体が大事で私を捨てたと怒った児島は、彼のもとから去る。そして30年がたち、「あなたの気持ちをわかってあげられなかった」という詫び状を送った直後、高倉健の悲報が届く。
児島は「人間・小田剛一も、本当に優しく、温かい人だったことを知ってほしい。面白くて気取らず、人間くさい、愛すべき人でした」と語る。
こうした健さんとの思い出を持つ女性はほかにもいるはずだから、名乗り出てほしい。人間・高倉健をもっともっと知りたくなってきた。
【追記】私がプロデュースしたノンフィクション作家・佐野眞一氏の『ノンフィクションは死なない』(イースト新書)が発売されました。週刊朝日で始めた橋下徹大阪市長についてのノンフィクションが第一回で打ち切りになって以来、沈黙を守っていた佐野氏が、その間にもう一度ノンフィクションについてじっくり考え、どういう結論に達したのか。ぜひ読んで下さい。
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