『殉愛』大ピンチ!? 百田尚樹氏が“取材していない”たかじん周辺から新証言続々で……
#出版 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
さて先週も触れたが、自民党の大勝で当分の間、総選挙はなさそうだ。一部には安倍首相が憲法改正をやりたいから、2016年7月の衆参同日選挙を仕掛けてくるとの見方もあるが、それはないと私は思う。
なぜなら、自民党内で安倍首相の強引なやり方に批判が出始めているからである。来年9月の総裁選で安倍首相がすんなり選ばれるかどうか、予断を許さない。
その筆頭が、若手のホープ小泉進次郎だとポストも書いている。
ポストは自民党が勝利はしたが、それは多くが棄権したからで、支持した数はわずかであると難じている。
「自民党の小選挙区の総得票は約2546万票だったが、選挙協力した公明党の基礎票(比例代表の731万票)を差し引くと1815万票にとどまる。自民党の比例得票(1766万票)とほぼ一致し、これが本当の『自民党票』と見ていい。全有権者のわずか18%だ」
沈黙した多くの有権者は、安倍政権のやり方をじっと見ている。そして、これ以上安倍首相が勝手放題やるなら、進次郎が党内から動き出すというのだ。
総選挙後も「消費税を上げる2年半後までに経済を立て直さなければすべて自民党の責任。それを考えれば笑っている場合ではない」と苦言を呈している。呈している相手は安倍首相に決まっている。
選挙中も、安倍首相に対して厳しい発言を多くしている。
「アベノミクスの先を考えなければいけない。人口減でも活力と豊かさを引き継げる国づくりには、どの国もやったことがない成長モデルが必要だ。社会保障も若者にツケを遺さないようにしなければいけない」
アベノミクスなどはじめから「幻想」だと、ポストは切って捨てる。
被災復興担当政務次官の進次郎は、中央公論14年7月号でこう語っている。
「戦後と『災後』の最大の違いは、人口増加・経済成長を前提にできるか否か。それができない中で日本がこれからも繁栄を築いていこうとしたら、国全体のモデルチェンジが避けられません」
かつての成功体験を前提とするアベノミクスでは日本は立て直せないと断じたい言い方であると、ポストは書く。
民主党は海江田代表が落選し、1月に代表選挙が行われる。もしここで細野豪志が勝てば、進次郎対細野という次の世代の対立軸ができ、旧世代の安倍の政治が終わるとポストはいうのである。
そうことが簡単に進むとは思われないが、進次郎への期待が大きいことはわかる。だが、まだ33歳である。あと10年は、雑巾がけが必要ではないのか。
文春で進次郎の追っかけ記者の常井健一が、進次郎のこんな地元での演説を記している。
「5年間の議員生活の中で、私に決定的に足りないのは余裕とゆとりです。余裕綽々だった日は一度として、ない。よくここまで耐えた、なんとかやってきたというのが率直な本音なんです。勉強不足な面もまだまだあるし、駆け出しの三十三歳だし、人生経験が足りない」
本人はそのことをわかっている。そこが、ほかの七光り議員と違うところである。またこうも言っている
「これからまた私に対して批判が吹き荒れることがあるでしょう。全国行っても多くの皆さんが温かく歓迎してくれる、メディアも好意的に報道することを、妙に冷めて見ています。褒めた後は粗探しが始まり、叩き落とされるものだから」
安倍首相の周辺では、進次郎に対する冷たい空気が漂うという。
「どうせ石破(茂)さんの子分でしょ。安倍さんのことは嫌いだと思うよ」(安倍首相の側近)
それに、父親・純一郎は脱原発派。真っ向から、安倍の原発政策を批判している。こうした厳しい環境が進次郎の人間性を磨いていくとしたら、10年後には天下取りをしているかもしれない。
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