「クリスマスにインタビューされると、いいことが!?」新橋SL広場、インタビューに応じる人、怒る人
#マスコミ #メディア
「なんでおまえにそんなこと言わなくちゃならないんだよ。マイクを向けたら、なんでも答えると思うなよ!」
12月中旬の夜、東京・新橋駅前のSL広場で、テレビ番組の収録クルーにサラリーマン風の男性が突っかかり、警察官が駆けつけるトラブルがあった。マイクを持った若い男性アナウンサーは動揺しながら頭を下げたが、なお激高する相手に顔は真っ青だった。
クルーのひとりであるディレクターによると「いきなりマイクを突き付けたのではなく、スタッフが事前にインタビューしてもいいかと許可を取ってから収録していましたが、アナが質問したら、男性が怒り出した」という。
質問は「あなたにとって今年の大ニュースは?」というものだったというが、忘年会シーズンとあって、ホロ酔いサラリーマンに楽しげに話してもらおうとしたところ、男性は激怒。「まず、おまえの名前を名乗れ」などとアナに怒鳴っていた。
駆け付けた警察官がなだめようとすると、男性は「だいたい、ここで撮影許可を取ってるのかよ」と逆質問。警察官がクルーにそのことを確認すると「許可は取っていませんでした」と答え、これを聞いた男性が、またそこを責め立てるという具合だった。
ディレクターによると「厳密には撮影には道路使用許可が必要なんですが、ウチは報道番組なので、ドラマやバラエティなどと違って取材・報道という立場があるのと、ここSL広場はグレーゾーン的に大目に見てもらえる場所という認識でやっている」という。
「その暗黙のルールを知った上で注意深く収録しないといけないのですが、酔客が多い夜の新橋は運が悪いと、こうしてトラブルになることもよくあります。カメラを回しているのを見て『俺も映せ、この野郎』って絡んでくる人には、いつも泣かされているんですよ」(同)
一方、このトラブルを現場で見ていた別のサラリーマン男性が「僕でよければインタビューいいですよ」と申し出た。男性は収録後「実はこの界隈では、年末にSL広場でインタビューされると、出世するってジンクスがある」と話した。「数年前にここでインタビューを受けた人が、当時係長だったのにトントン拍子で出世して、先日、取締役となったことが発端」だという。
このことは現場収録に慣れたディレクターも「聞いたことがある」というが、収録したものが実際に使用されないことにクレームをつけてくる困った人もいたという。
また、OLの間では「クリスマスにインタビューを受けたら恋が実り、カップルだったら幸せに結婚できる」なんて都市伝説もあるそうだが、いずれにせよSL広場前はこの時期、インタビューを「してはいけない人」「されたい人」が行き交っているようだ。
(文=ジャーナリスト・片岡亮)
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事