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週刊誌スクープ大賞

薄給の現役CAが社内で売春サークル?「顧客はパイロットで、1回5~8万円」

 これよりも、文春の「40年来の“付き人”が初めて明かす高倉健『秘録』」のほうが読ませる。これが今週の第2位。

 西村泰治といい、健さんとの出会いは1968年の『祇園祭』で、彼は東映京都の製作スタッフだったが、映画にちょい役で駆り出されて間近で見た健さんのかっこよさに痺れ、主演の中村錦之助に頼んで会いにいったのが最初だという。

 健さんがことのほか気に入ったらしく、西村のことを「やす」と呼んで、京都に来るときには彼のところによく泊まったそうである。

 異父姉が数億円の借金を作り、結婚していた江利チエミがこれ以上健さんに迷惑をかけるわけにはいかないと離婚したばかりの時、チエミから電話がかかってきたところに居合わせたという。

「『健さん、もう一度、一緒になれないかしら』と言ってきたことがあった。そしたら健さんは『一度別れるって新聞で発表したんだから、いまさら戻るわけにはいかんだろう』と。健さんは、自分にも他人にも厳しい人。チエミちゃんに諭すようにこう言ったんです。『おまえがいくら謝っても……。もっと……もっと早くに、なんでそう考えなかったんだ。こうなった以上は、もう一緒になれない。戻れない』」

 だが健さんは、ずっとチエミのことを愛していたと思うと語っている。撮影所の楽屋で、チエミの『テネシー・ワルツ』を黙って聞いていることが何度もあったという。チエミが亡くなったときも、チエミの自宅の裏に回って1時間以上手を合わせ、その後、2月の厳寒の中、比叡山の飯室不動堂の滝に打たれに行ったという。

 ある騒動で健さんから絶縁され、3年もの間近寄れなかったとき、取りなしてくれたのは吉永小百合だったという。西村の息子の結婚式には、健さんと小百合が出席してくれたというから羨ましい。

 この中にも出てくるが、撮影が終わると必ず立ち寄った「花の木」という健さん行きつけの喫茶店がある。

「夜ふけまでずっとコーヒーを飲んでリラックスするのが日課だったんです。何杯もコーヒーを飲むから、解散するのは朝の三時くらい」(西村)

 先週、所用で京都へ行ったとき「花の木」へ行ってきた。烏丸線の「鞍馬口」からすぐのところで、下賀茂神社が近くにある。l

 一見どこにでもある古い喫茶店。前の道路が広いからクルマを止めるにはいい場所だが、やや侘しい佇まいの店で、本当にここかなと思った。

 朝8時からやっている。混むといけないので10時過ぎに入店。扉を開けて入ると先客は2人。右手にカウンターがあり中年の女性がいる。ボックス席は6席ぐらいか。若い女性が和やかに迎えてくれた。

 やや暗めの照明は落ち着いた雰囲気で居心地がよさそうだが、健さんが好きだった乃木坂の「カフエ・グレコ」とも「イノダコーヒー」とも違う。どこかしら「らんぶる」に似ている気がした。モーニングセットが3種類。ホットドッグとコーヒーのセット、450円を頼む。

 テレビで見た「花の木」にいる健さんは店の奥に座っていたと思うが、そこにはすでに先客がいる。出てきたホットドックはどうということはないが、コーヒーは香りよくすっきりした味わい。これが健さんの愛したコーヒーかと、思わず涙が出そうになった。

 カウンターの奥には、古びたジャン・ギャバンのポスターが貼られている。見たところ、健さんのサインなどは見当たらない。その潔さが健さん好みか。

 コーヒーのおかわりを頼んで、健さんが好きだったギャバンの写真を見つめる。健さんは一人でもクルマを飛ばして、ここへ来たという。世界的な名優と謳われたギャバンを、どんな気持ちで見つめていたのだろうか。二人に共通するのは、出てきただけで絵になるところだ。健さんありがとうございました。そうつぶやいて店を出た。

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