Annie The Clumsy&西寺郷太インタビュー「鼻で笑えるような音楽を作りたい」
#リアルサウンド
「<プロデュースをしない>というプロデュース」(西寺)
――気負いがないというか、生活レベルで音楽やっている感じがするんですよね。
西寺:だから彼女には期待しているというか、化けると思ってるんですよ。単純にビジネスとしていけるんじゃないかって。正直、彼女に対してはぜんぜんプロデュースしてないんですけど、それは<プロデュースをしない>というプロデュースというか……見たことのない花の種を見つけたからとりあえず水をやっておこうか、みたいな(笑)。新人アーティストを育成していくときのいまの日本の音楽業界のルールは必ずしも彼女にはそぐわないと思うし、僕らの計算を越えたところに辿り着く可能性があるんじゃないかって。オフィシャルブログをさかのぼって見たら昔の彼氏とバスルームでハグしてる写真とか普通に載ってたりするし(笑)、とにかくここまで業界を全力でサヴァイブしてきた僕の感覚とはなにもかもが違うから面白いんですよ。
――こんなこと言ったら怒られてしまうかもしれないけど、良い意味でプロ感が希薄ですよね。
西寺:でも、アニーちゃん、全体的に偉そうなんですよね(笑)。悪い意味じゃないんですけど。偉そうというか、堂々としてるって言ったほうがいいのかな?
――確かに、これが初めてのインタビューとは思えないところがありますが……で、いま話に上がったブログも一通りチェックさせてもらいましたけど、音楽だけでなく映像製作や演技もやってるんですよね。なんというか、アートやクリエイティブな活動全般への関心が高くて、音楽もそのチャンネルのひとつとして存在しているような印象を受けました。
Annie:たぶん、そうなんだと思います。ゆくゆくは演技がしたいと思っているんですけど、昔モデルの事務所にいたこともあって、その道の厳しさもわかっているつもりなので。だから、いまは音楽が自分の表現としてあるからこれをがんばっていけたら……その過程のなかでなんかいいことがあったらいいなって(笑)。
西寺:演技やってるなんて初めて知ったわー(笑)。
Annie:最終的には海外に出ていきたいぐらいの野望はあるんですけど、とりあえずいまはこれでやっていって。
――いろいろなチャンネルを持っていることがアニーさんの音楽のカジュアルさや生活感に少なからぬ影響を及ぼしていると思うんですけどね。
Annie:コマーシャルの音楽をやっていると、音楽の表現と演技の表現は似てるところもあるなって思って。だから一石二鳥というか、例えばミュージックビデオを作るときは自分で監督も演技もできるわけですよね。
――アニーさんのそういう音楽に対するスタンスと、ウクレレという楽器がまた抜群に相性がいいんですよね。
Annie:チープな感じだけど癒しにもなるかなって。作曲もウクレレでやってるんですけど、チープなニュアンスを出したいときはいちばん最初にもらった安いやつを使ったりしてますね。あとは最近打ち込みを覚えたくてかんばってるんです。やっぱりウクレレだけだと自分も歌っていて飽きるので……次のアルバムには打ち込みの曲も入れてみたいですね。
――やっぱり宅録感みたいなものは大事にしていきたいというか。
Annie:はい、それは押し出していきたいですね。
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