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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 加藤有加利の『パラレルワールド』
宍戸留美×小明×Voice Artist【声優 on FINDER!】vol.30

「常に“人生は戦いだ”と思っている」【加藤有加利/yucat】の『パラレルワールド』は終わらない

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――7~8万!? 完全なるビジネスチャンスじゃないですか! デザフェスで売ろうよ!! 10万くらいで!!

加藤 高い(笑)!!

――絶対儲かるよ(鼻息荒く)!! ……話を音楽に戻しましょう、yucatのテーマは『暗黒ファンタジー』とのことですが、RYTHEMとはだいぶ路線が違いますね。

加藤 今までやっていたRYTHEMの曲っていうのは、私の中で“光”の部分で、こうなりたい自分、こうでありたい自分を描き続けてきた感じなんです。だから、だんだん、もっと本性を知ってもらいたくなってきたんですよね。「私にはもっともっと汚い部分があるんだぞ!」って。今まで自分が吐き捨ててきた負の感情だったり、人間の汚い部分を出したくなったんです。私はずっと「良い子でいたい、良い子でいなくちゃ」と思い続けてきたタイプで、本当に良い子で生きてきたから、それが爆発して、今はこんなことに(笑)。だから、そういう小さい頃からの実体験を元に『暗黒ファンタジー』を描けないかなって思ったんです。

――アルバム『パラレルワールド3』は“戦い”をテーマにしているとのことですが、yucatは一体何と戦っているんですか?

加藤 何と……というよりは、私は常に「人生とは戦いだ」と思っているので。音楽の中でも、ずっと戦って、勝ち取って生きてきたという自覚があるので、常に何かと戦っているんですよ。与えられた家庭環境もそうだし、友達との関係性もそうだし、学校生活だったり、いじめとかも含めて、私たちはずっと見えない敵と、空気と戦わなきゃならないじゃないですか。生きていくためには、それらに立ち向かいながら、頑張って一歩一歩、前に進まなきゃならなくて……。

――大変!! みんなもっとぼんやり生きてますよ!! ちなみに、一番初めの敵はなんでしたか?

加藤 家庭環境でしたね。私は高校ですぐに家を出たんですけど……けっこういろいろあったので(笑)。子どもの頃って、自分にはその世界しかなくて、どうすることもできないじゃないですか。だから、戦うというよりは、逃げるとか、目をそらすことしかできなかったんです。でも、成長して、自分の意志をもって、世界をひとつふたつ増やしていけば、絶対に変わることがあるとか、自分に力がつけば変えることが出来るっていうのを、yucatを通して伝えたくて。

――なるほど! 子どもの頃と言えば、加藤さんは小学一年生で聖書を読破したそうですが、なんでまた聖書を? 救いを求めて? その年代の子ども、普通『あさりちゃん』とか読んでましたよ。

加藤 うちは本当に厳しくて、勉強以外しちゃいけない家だったんです。アニメも漫画も一切観させてもらえなかった。今はその反動で大好き(笑)。テレビ番組も教育的なもの以外は観させてもらえなかった。『ドラえもん』『アンパンマン』『サザエさん』のみですね。『クレヨンしんちゃん』はNGだったかな。そういう感じの家庭だったので、読む物は家にある聖書と学校の教材しかなかったんですよ。だから、ちょっと普通ではなくなってしまった感じはありますね。友達ともあんまり遊んじゃいけないし、ずっと家で勉強していなさいっていう方針だったので。

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