月3,000人以上を動員する「K-PRO」児島気奈代表に聞いた、お笑いライブシーンの今
#お笑い #インタビュー
これだけお笑いの人気が高まっている現代でも、多くの人にとってなじみがないのが、お笑いライブの世界。東京では毎日複数のライブハウスや劇場でお笑いライブが行われている。その規模や内容はさまざまで、誰もが名前を知っている有名芸人からデビューしたばかりの新人まで、幅広い層の芸人がライブには出演している。
そんなお笑いライブシーンで最近、何かと話題になっているのが、お笑いライブ制作集団「K-PRO」。毎月30~40本ものお笑いライブの制作を手がけており、ひと月に延べ3,000人以上を動員している。芸人やファンからの信頼も厚く、東京のお笑いライブシーンでK-PROを知らない人はいない。そんなK-PROの代表を務める児島気奈さんにインタビューを敢行。お笑いライブ一筋を貫く、その生き様に迫ります。
――昔からお笑い好きだったんですか?
児島気奈(以下、児島) そうですね、子どもの頃からお笑い番組がすごく好きで。学校から帰ってきたら、すぐテレビを見るっていう感じの子でした。初めは志村けんさん、とんねるずさん、ウッチャンナンチャンさん、ダウンタウンさんとかが好きでしたね。
もともと、うちの父親がすごくお笑い好きだったんです。学生時代にラジオ番組に投稿もしていたらしくて。高田純次さんのラジオをよく聴いていたそうです。あと、家にはコント55号さんの昔のテレビ番組を録っているビデオテープなどがあって、それを見たりしていました。父親の影響は結構大きいですね。
――当時、一番好きだった芸人さんは?
児島 一番初めに好きだなと思ったのは上岡龍太郎さんですね。ああいう「話のプロ」みたいな人が、すごく格好良く映っていて。ああいうしゃべり方ができたらいいなあ、と強い憧れみたいなのはありました。
若手の芸人さんに興味を持ったのは、中学、高校の頃の『ボキャブラ天国』(フジテレビ系)ですね。ただ、当時はまだお笑いライブというものがあるということは知らなかったので、テレビで見るだけでした。
――確かに、昔はお笑いライブの情報って、なかなか手に入らなかったですよね。
児島 そうですね、インターネットもなかったので。自分でお笑いの雑誌を見て、そこの文通相手募集ページで地方のお笑い好きな子と友だちになって、地方の番組のビデオテープを送ってもらったりしていました。そういう中で、文通で知り合った人に「お笑いライブを手伝ってみない?」って誘われたんです。生で芸人さんに会えるらしいよ、みたいなことで。
――じゃあ、裏方としてお笑いライブを手伝う前には、ご自分でライブを見に行ったことはなかったんですね。
児島 なかったです。一番初めに手伝いで行ったのが、なかの芸能小劇場でやっていた落語家さんやインディーズの芸人さんが出ているインディーズライブだったんですけど。そこに行ったら、『ボキャブラ』とかに出ている芸能人に会えるのかなと思っていたら会えなくて、ちょっとガッカリしたりして。
そこで、会えないんだったら来た意味がないなあと思って、ちょっとライブの手伝いをサボっていたら、出演者の落語家さんが来て、「お前、何やってんだ!」って怒られたんです。そこで、自分の全然知らない芸人さんがライブに出ていて、その人たちに怒られるのは納得いかないなあ、と思って(笑)。それがすごく悔しくて、いつかこの人たちを使う側になってやろうと。
――その後も、お笑いライブ制作の手伝いは続けていたんですね。
児島 そうです。それを始めたのが高校3年のときですね。その後、ずーっとボランティアスタッフとして、いろいろな主催者のライブや舞台に「手伝わせてください」って飛び込みで行ったりしてました。
――そのときには、いずれ自分でライブを主催したいと思っていたんですか?
児島 主催したいとは思っていました。ただ、手伝っているうちに、ライブとしてしっかりできていないところとか、ダメな主催者っていうのも見てきて。ここをこうした方がいいんじゃないかな、私だったらこうするのにな、ってだんだん思うようになってきたんですよね。
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