「純度100%のバラエティ、いま日本に何本あります?」『オモクリ監督』がクリエイトするもの
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また、コーナーが増えたのも変化のひとつだ。『OV監督』のゴールデン進出をスタッフから伝えられた時、バカリズムは「半年後には、ゲームコーナーやってるとか?」と困惑し、ひとりは「あり得るんじゃないの、『OVドッジボール』でしょ?」と笑ったが、今のところ、面白い歌を作る「オモウタ」や面白い一日を作る「オモデイ」などが新コーナーとして放送されている。
そのうちのひとつが、面白いテレビ番組を作る「オモバン」である。千原ジュニアが作った「オモバン」は料理番組。題して「スパイスクッキング」。料理の先生と、アシスタント役のジュニアはまず「牛肉スライス=ドアノブ」「お酒=クロックス」というふうに、食材の呼び名を抽選で決めていく。
今回の料理は「道端アンジェリカのドアノブ巻き」。「6本の道端アンジェリカを用意してます」と言って先生が取り出したのは、アスパラ。「アンジェリカの下の部分は皮も硬いので、アンジェリカの皮をむいてあげてください」と、下準備を進めていく。
「(お湯が)沸いたところに、【疎外感】(塩)を入れますね。疎外感を入れることによって、アンジェリカが色鮮やかになります」
「ドアノブでアンジェリカを巻いていくんですけど、ここで大事なのが【山本太郎の熱い思い】(片栗粉)です。これを薄く塗っていきます。これで、アンジェリカがドアノブから抜けにくくなります」
さらに【クロックス】や【水たまり】【飛車】【広島の2軍コーチ】を入れ、隠し味は【部屋とYシャツと私】。
そして「ドアノブが開くとアンジェリカが飛び出してしまいますので、注意してください」と、丁寧に焼いていく。
このシュールな「オモバン」には、たけしもくしゃくしゃに破顔し、爆笑。次回が予告通り「ボイラー技士のヌーブラ炒め」なのかどうかは別にして、何度も見たい料理番組だ。「オモバン」は、ほかにも劇団ひとりがドラマティックなクイズ番組を作ったり、やりたい放題。そんな彼らなら、仮に「OVドッジボール」を作ることになったとしても、クリエイティブでひたすら面白い“ゲームコーナー”を作ってくれるだろう。
前述のゴールデン進出を告げられたシーンでは、バカリズムや劇団ひとりが戸惑っている中、ジュニアは「いや、いいじゃないですか」と、すぐに態度を改めた。
「純度100%のバラエティ、いま日本に何本あります? その1本を日曜9時で、ねぇ?」
これは間違いなく、挑戦だ。同じような番組ばかり、などと批判を浴びるゴールデンのテレビに風穴を開けようとしている。『オモクリ監督』は、番組の新たなテレビ潮流を作ろうとしているのかもしれない。ならば、この番組を「短命」で終わらせてはいけない。
(文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>)
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