大人も楽しい、“子ども向け”音楽番組『どぅんつくぱ~音楽の時間~』の正義
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これらのコーナーも魅力的だが、やはりこの番組の最大の魅力はココロくんとアイナちゃんのキャラクターに尽きる。ひたすら子どもっぽいココロくんと、ちょっとませた女の子のアイナちゃん。『アナ雪』や『妖怪ウォッチ』などはやりものにはノリノリで自ら率先して歌いだしたりするアイナちゃんは、自分が中心の時は本当に楽しそうで、めいっぱいの愛嬌を振りまいている。だが、ひとたび自分がメインではなくなると、集中力が切れてしまうのか、あからさまにつまらなそうな表情をしてしまう。
一方、ココロくんは常に全力。いつも声を張り上げ楽しそうにしているが、『妖怪ウォッチ』の話題にだけは乗ってこない。なぜなら『ポケモン』派だから。ゲストに『妖怪ウォッチ』の主題歌を歌うキング・クリームソーダが訪れた時のテンションの下がりっぷりは、ロック田が思わず「ココロ、頑ななポケモン派なところ、俺は好きだよ」とフォローするほど。彼らの典型的な“男の子”“女の子”感がとても愛らしく、チャーミングでたまらない。
『どぅんつくぱ』は、あくまでも“子ども向け”音楽番組の姿をしている。金曜の夜に夜更かしした子どもたちが見れば、釘付けになるだろう。だが、『カリキュラマシーン』や『ウゴウゴルーガ』などがそうであるように、上質な子ども向け番組は、結果的に子ども以上に大人も楽しめるものだ。なぜならそういった番組は、子どもをバカにせず作られた、子どもを背伸びさせるようなものだからだ。その目線は大人にちょうどいい。「分かりやすさ」が最優先される今のテレビの中で、その真逆を行く姿は、ある意味かっこいい。ニイルセンは「『かっこいい』『かわいい』『元気がいい』は物事の“三大正義”」と語っている。画面にはかわいいセットやキャラクターたちがあふれ、子どもたちは元気いっぱい。
だったら、やっぱり『どぅんつくぱ』は正義だ。
(文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>)
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