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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > COWCOW善しとヘンなおばあ
『ハイハイからバイバイまで』出版記念インタビュー

テッパンのあのネタに隠された愛情物語――COWCOW善しと、ちょっとヘンなおばあ

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善し ギラギラガツガツせんとアカンとも思うんですけど(笑)。ただ本当に僕の単なるワガママを、いつも受け止めてくれていたんで。お寿司の話とかね、なんで僕はあんなことを言ってしまったんだろうって、ずっとずっと後悔してる記憶なんですよ。あんなに優しいおばあにって。

――選ぶのが難しいとは思いますが、善しさんが特に思い入れのあるエピソードはどれですか?

善し 僕としては、やっぱり“ちょっと変なおばあ”の記憶がつづられている前半部ですね。この本のタイトル『ハイハイからバイバイまで』って、確かにハイハイしている小さい頃からっていう意味もあるんですけど、それだけじゃなくて「おばあちゃんとハイハイ」という不思議なエピソードも少し絡んでいるんです。この話は、僕の記憶の中でもSF的なエピソードなんですよ。いつかどこかで解明してほしい。

――これはぜひ読者の方にも読んでいただいて、「?」を共有してもらいたいところですね。でも、思い返せばありました。うちの近所にも「ハイハイ」。

善し 大人たちは一体ここで何をしているのかという疑問と、おばあはなんのためにここに来ているのかという疑問と、あと僕はせっかくおばあの家に遊びにきて好きなテレビも見放題なのに、なんでこんなことに時間使ってんねんという疑問ですね。もう訳が分からない。

――一方で、後半のおばあの話はちょっと切ない。

善し 後半は、僕が大人になってきて「おばあ何してくれてんねん!」ってぶつかり合ったエピソードですね。おばあはずっとおばあだけど、僕はどんどん大人になる。理由もなくイライラして、それをおばあにぶつけて、そんな自分にまたイラ立ってっていう。

――おばあがお亡くなりになったのは……

善し 12年前ですかね。

――では、「あたりまえ体操」で全国的にブレークした姿を見ることはなかったんですね。

善し そうですね。でも、僕としては芸人としての姿よりも、結婚して子どもが生まれた今の家族の姿を見せたいです。結婚したのも、おばあが亡くなったのが大きかったんです。家族を求めるじゃないですけど、そういうタイミングだったと思う。おばあが死んで「あぁちゃんとしな」っていう気持ちはありました。

――「ちゃんとしな」は、おばあに言われていたことですか?

善し ずっとですよ。だって僕、全然ちゃんとしてないんですもん(笑)。だからおばあが死んで、初めて独り立ちしたんだと思います。

――善しさんは、これからどんな芸人さんを目指されますか?

善し ずっと同じことをする。ブレずにいたいです。ネタを作って、時々テレビに出させてもらって、そのペースを崩さずに。おばあといる時間が長かったので、会場におじいちゃんおばちゃんがいると、どうしても気になっちゃうんですよ。この人たち、ちゃんと楽しめてるのかなって。だからご老人でも理解できる、楽しめるネタをっていうのは、いつもどっか頭にありますね。

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