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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.296

トキワ荘とは異なる、もうひとつの“まんが道”! 劇画を考案した辰巳ヨシヒロの自伝『TATSUMI』

tatsumi1114_03.jpgエリック・クー監督と辰巳ヨシヒロ。「劇画というジャンルを確立した辰巳先生が日本でもっと知られることを願う」とエリック監督は語る。

 「まんだらけ」の季刊カタログで95年から2006年にわたって連載された原作コミック『劇画漂流』は本格的な劇画ブームが到来するものの、すでに劇画が形骸化してしまったことに主人公が怒りをあらわにするところで終わっているが、エリック監督は『TATSUMI』の中でその後の『劇画漂流』を辰巳に描かせている。辰巳の作品はますますディープさを増していく一方、発表する媒体は次第に限られていく。そんな中、仕事場にしていた喫茶店のウエイトレスと懇意になり、人生の伴侶とする。決して華やかではないが、自分の信じる道を歩き続ける辰巳。彼の作品は英語・フランス語・スペイン語・イタリア語・インドネシア語などに翻訳され、海外では手塚治虫と並ぶ高い評価を得ているという。世界的なポップカルチャーへと成長を遂げた日本の漫画産業だが、そこに至る道は“まんが道”だけでなかった。辰巳が切り開いた“劇画道”を含む、数多くの様々な道が連なっていたのだ。
(文=長野辰次)

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『TATSUMI マンガに革命を起こした男』
原作/辰巳ヨシヒロ 監督/エリック・クー 声の出演/別所哲也(一人六役)、辰巳ヨシヒロ 配給/スターサンズ 11月15日(土)より角川シネマ新宿ほか全国順次公開 (c)ZHAO WEI FILMS
http://tatsumi-movie.jp

最終更新:2014/11/21 15:21
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