日本ボクシング界が“暴力団排除”徹底強行へ! 厳格「誓約書」提出できない関係者は誰だ!?
#ボクシング
プロボクシングの選手や関係者のライセンスを管理するJBC(日本ボクシングコミッション)が10月29日、ライセンスの申請に際して、暴力団などの反社会的勢力と関係していないことを確約する文書の提出を義務付ける発表をした。
ライセンスはボクサーのみならず、ジムの会長やプロモーター、マネジャーといった関係者に発行されており、新規申請者だけでなく、12月からの更新も対象となる。
JBCは2007年から警視庁との連携で、暴力団関係者の集団観戦や、組員の名前が挙がることもあった激励賞の読み上げ廃止など暴力団対策に取り組んできたが、今回の誓約は違反した場合にライセンス取り消しの可能性もあり、異議の申し立てや賠償請求もできないという厳しい条件を承諾させるものだ。
これについては、業界歴35年というベテラン関係者が「一部のジム関係者が誓約書をきちんと提出できるか注目されている」と話す。
「ひと昔前は、興行の開催やチケットの売買で暴力団との付き合いが避けられなかったけど、今はほとんどのジムやボクサーが、そういう付き合いをしなくなっているよ。特に日本ボクシングのメッカといわれる後楽園ホールなんかはJBCのお膝元だから、興行から暴力団を完全に排除できている。でも、地方での興行となると、まだ暴力団関係者と古くからの付き合いが残っていたり、組織的なチケット販売に頼っているところもあるって話だ。あるジムのオーナーは、準暴力団に指定された半グレ集団と付き合いがあるとか。こういう連中がちゃんと誓約書を出すか見ものなんだ」(同)
当然、これからは問題発覚と同時にJBCが業界から追放することができるわけだが、特例を許さず強硬姿勢を取ったのには、理由があるようだ。ボクシング取材を続けるジャーナリスト・片岡亮氏によると「暴力団関係者そのものは消えても、背後にそういった影をチラつかせて、粗暴な言動をする者がいる」という。
「少し前、あるジムに対するJBCの扱いに不満を持った人物が、関係者に脅迫的な電話をしたこともあったんです。こういうことも処罰の対象となるし、暴力団排除を徹底することで、テレビや企業に安心してコンテンツを提供できるので、メリットは大きい」(片岡氏)
暴力団とボクシングの関係は3年前、日本武道館で開催された亀田興毅の世界タイトルマッチで、暴力団関係者がリングサイドで観戦していたことが警視庁から指摘されたことがある。このときは亀田側が「招待席ではなく一般に売り出した席だった」と無関係を主張して、JBCから注意されるにとどまったが、前出の関係者は「亀田側に高圧的な態度を取られても、背後にそういう連中がいるのではないかと疑って反論できない人もいた」という。
こうした疑心暗鬼も一掃する狙いがある誓約書、まさかこれにサインを拒む関係者はいないと思うが……。
(文=和田修二)
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事