「まさか自分が……」住宅ローンが払えない! 忍び寄る“老後破産”の恐怖
#出版 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
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では、そうしたことをやってきた人間は誰なのか? 小渕氏の関連政治団体のうち3団体について報告書を実質的に取り仕切っていて、現在、中之条町町長になっている折田謙一郎氏(66)ではないかと新潮は見ている。
折田氏は小渕恵三の時代から30年以上にわたり私設秘書として仕え、いわば国家老のような存在だと、彼をよく知る町政関係者が語っている。
折田氏は小渕氏辞任と同じタイミングで町長の職を辞し、姿を消しているそうである。折田氏は「ひとえに私の不徳のいたすところ。小渕大臣は政治資金には全く関与しておらず、収支の齟齬に疑念を持たれたのは当然のこと」と、辞職にあたってコメントを寄せているそうだが、自分がすべてを引っかぶろうという覚悟なのだろう。
支持者の観劇や野球観戦だけではなく、地元の名産品や姉のブティックから政治団体が大量の買い物をしているのも「公私混同」だという批判が出ている。
10月16日付の毎日新聞が、小渕氏が9月に経産相に就任した際の資産を報じている。
「資産総額はTBS勤務の夫と合わせて2,804万円で、女性閣僚5人中2位だった。その大半は東京都渋谷区と地元群馬県内の土地や建物だが、ゴルフ会員権2口と絵画2点も持つ。父の故小渕恵三元首相が暮らした都内の自宅を昨年12月に売ったことで前回衆院選再選後の公開時より、本人の不動産は減ったが、売却益で2013年の所得は前年を5500万円上回った」
元総理を父に持つ彼女にしては、意外なほど資産が少ないのではないか。小渕元総理は気前がよく、カネがない人には誰彼かまわずぽんとカネをあげたというエピソードが残っている。また、中曽根康弘と福田赳夫の大物がいる大激戦区だったから、自ら「ビルの谷間のラーメン屋」と自嘲していたように、当選するためにカネを使い果たしていたのかもしれない。 そうしたやり繰りの大変さから、古参秘書である折田氏がこうしたことに手を染めたのかもしれない。
彼女は本来、原発再稼働に疑問を呈しており、親中国派議員としても存在感を高めつつある。ここは一兵卒に戻って、危険な方向へと舵を切っている安倍首相に党内から異を唱える存在になってはどうだろうか。
地元でうちわを配った松島みどり法相も同時に辞任したが、すんなり受け入れたわけではなく、相当安倍首相に抵抗したと新潮が報じている。
「菅官房長官は直接、松島さんに引導を渡してはいませんが、派閥を使って説得したようです。彼女は“この問題は事件性がない”とか“立件できない”などと強気に主張して辞任に抵抗したみたいです」(政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏)
政治家スキャンダルはまだある。週刊ポストが追及し、会でも疑惑を質された塩崎恭久厚労相がそれだ。彼の疑惑は地元でオープンするはずだった特別養護老人ホームが、スタッフ不足のため市から開設許可が下りなかったため、地元市議から相談を受けた塩崎事務所の秘書が、厚労省の課長補佐と「相談」して市へ働きかけてもらって、部分開設が認められたというものである。
これが事実なら「厚労相の職務権限を背景にした利益誘導」ではないかと、ポストは前回書いた。塩崎厚労相は「記憶にない」「秘書がやったこと」を繰り返し、秘書から塩崎氏に宛てたこの件の報告メールを「私信だから公開できない」と答えている。
その上、このメールは不正アクセスして盗まれたものと主張した。だが、もしそうだとしたら「一国の大臣がやりとりしているメールサーバーがハッキングされたということは、国家機密に触れる情報や国民生活に関わる情報が漏洩している可能性がある」(ポスト)。
重大事ではないか。
塩崎氏は一刻も早く警察に相談して、被害の詳細を調べて国会で報告すべきだ。それができないのは、警察に相談できない理由が塩崎氏にあるのではないかと、ポストは衝いていた。
小渕氏の次に就任した人間に早くもこんな疑惑があると、23日と27日のasahi.comが報じている。
「宮沢洋一経済産業相の資金管理団体『宮沢会』が2010年、広島市内の『SMバー』に交際費の名目で約1万8千円の政治活動費を支出していたことがわかった」
「宮沢洋一経済産業相は27日、外国人が株式の過半数を持つ広島県の企業から、2007年と08年に計40万円の寄付を受けていたことを明らかにした。26日に全額返金したという。外国人からの寄付を禁じる政治資金規正法に違反する可能性があり、今後、野党などから批判が出そうだ」
第一次安倍政権が潰れたのも、閣僚の不祥事が次々に表面化したためである。同じような道をたどって、第二次政権も崩壊していくのであろう。
(文=元木昌彦)
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