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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.293

映画よ、これがVシネマだ。史上最凶のアニキたちがVシネ記念作『25 NIJYU-GO』でドリーム競演!

nijugo03.jpgVシネ界のレジェンドたちに噛み付くのは波岡一喜。『ベイブルース』『夜だから』と主演映画が立て続けに公開される今、最も脂の乗ってる男優なのだ。

 25億円を求めて、悪いヤツらがクライマックスで一堂に会する。舞台となるのはVシネマや特撮もののロケでおなじみの群馬の廃工場。翔アニキが、小沢兄弟が、若手代表の波岡一喜が、そして竹中直人が、銃弾の雨を浴びながらキラキラと輝く。映画スターでもなく、テレビの視聴率にも無縁な、選ばれし男たちが出席するVシネ大同窓会だ。男たちはハグの代わりに、銃弾と拳で挨拶を交わす。廃工場での銃撃戦で飛び交う銃弾はおよそ1000発。さらに大爆破&大炎上、宙を舞う札束。Vシネ25年間の愛憎と欲望が凝縮された一大フィナーレだ。

 Vシネマをジャンピングボードにして三池崇史、黒沢清、清水崇といった監督たちは世界へと飛び立った。90年代のヘアヌードブームとリンクして、多くのVシネクイーンたちが美乳と美尻を競い合った。その一方、Vシネマに将来を見出せず、ドロップアウトしてしまう者も少なくなかった。Vシネマの世界は敷居が低い分、転がり落ちるのも簡単だった。そんなVシネマ怒濤の25年の歴史を、翔アニキは軽やかに駆け抜けていく。爆破シーンでは名前の通り、身軽にぴゅ~と翔んでみせる。しかも、くるりと前方回転を決めながら。Vシネマの世界で輝く、男たち女たち。人生は祭りだ、ともに踊ろう。フェリーニの言葉が彼らにはとてもよく似合う。
(文=長野辰次)

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『25 NIJYU-GO』
脚本/柏原寛司、大川俊道、岡芳郎、ハセベバクシンオー 監督/鹿島勤 出演/哀川翔、寺島進、温水洋一、高岡早紀、小沢仁志、小沢和義、波岡一喜、井上正大、鈴木砂羽、笹野高史、嶋田久作、中村昌也、金子昇、本宮泰風、木村祐一、ブラザートム、木下隆行(TKO)、初音映莉子、伊沢弘、石井慎一、工藤俊作、菅田俊、岩佐真悠子、袴田吉彦、竹中直人、石橋蓮司、大杉漣 製作/東映ビデオ 配給/東映 R-15 11月1日(土)より新宿バルト9ほか全国ロードショー
(c)2014東映ビデオ
http://nijyu-go.com

※ラピュタ阿佐ヶ谷では「PLAYBACK 東映Vシネマ25連発!」を特集上映中。ダイヤモンド・ユカイが主演した元祖ヒップホップアクションミュージカル『ハートブレイカー 弾丸より愛をこめて』(11月7日~9日)、きうちかずひろ監督作『JOKER ジョーカー』(11月22日~24日)、荒井晴彦脚本による『F.ヘルス嬢日記』(11月28日~30日)など厳選された東映Vシネマが12月29日(月)まで絶賛レイトショー上映。
http://www.laputa-jp.com/laputa/program/toei-v-cinema

最終更新:2014/10/23 21:00
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