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「女って怖えぇ」は通じない。男性は嫁姑問題や自身に潜む「女」とどう向き合うべきか

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 「表面上は仲がいいのに陰口を言い合う」「感情的に『敵』『味方』を決める」――。こういった男性が理解しにくいといわれる女性のネガティブな側面を「女」と定義し、「女」度が高い人間との付き合い方を記した、精神科医・水島広子氏の『女子の人間関係』(サンクチュアリ出版)が話題を集めている。一見、男性には無関係に思われる内容だが、あらゆる分野において女性活用が進む昨今においては、女性同士の人間関係や「女」度が高い人間との付き合い方は男性にとっても大きな課題なはず。特に、男性が頭を抱える女性の人間関係といえば、嫁姑問題である。男性はこの問題にどう対処すべきなのか、また「女」度の高い人間は女性だけなのか。水島氏に話を聞いた。

嫁と姑の「争い」の正体を探るインタビューはこちら

――人間の「女」な部分に対し、過剰な苦手意識を持っている男性が多いと思いますが、一般的に男性が一番間近で見る「女」の戦いといえば、嫁姑問題があります。しかし、水島さんは『女子の人間関係』の中で、嫁姑は「女」の問題ではないと指摘されていますね。

水島広子(以下、水島) 親離れ・子離れに要因があると思います。妻に対して「お袋とうまくやっておいてくれよ」というような、男性の優柔不断さが問題としてすごく大きい。ただ姑を「選ばれる性」(※編注)の女性として考えたときに、その立場もわかるんです。結婚するまでは姑は男性にとって一番の女性だったのが、違う人に取られてしまったと考えると、意地悪な気持ちにもなるでしょうし。嫁としては夫に自分を一番に考えてほしいのに、「なんで姑を優先するの?」と思うでしょうし。

――現在の30代以上は、父親は「昭和のモーレツ・サラリーマン」、母親はそれを支える専業主婦という家庭で育った人も多く、父親不在の家庭ゆえに母息子の絆が深くなったという社会的な要因もあるのでしょうか。

水島 そうなんでしょうね。本来、夫から満たしてもらうべき感情を息子から満たしてもらっていた母親は、息子が結婚したことによって「嫁に取られた!」と思う人も多いので、嫁姑問題がこじれやすくなるのかもしれません。

――親離れしないというのもポイントだと思います。父親不在だったゆえに、息子の精神的な「父親殺し」や反抗期がなくなっているんでしょうか?

水島 どうなんでしょうか。ただ、このごろの若い人たちは親と異常に仲がいいんですよ。あれも気持ち悪い現象ですよね。反抗期がなく親子の距離が近いまま大人になってしまうと、より複雑になるんです。昔は子どもに反抗期が来て、その時期に親離れが済む。そして、自分が一緒に生きていきたい人を選ぶという感じだったのが、今では結婚相手すら親の意見に左右される。それはこれからの心配なところですよね。

――男性が母親との関係に気がつかないのは、どうしてでしょう?

水島 私も息子がいるので思うんですが、息子と母親の関係は特別ですよね。考えていることが全部わかるというか……。娘は神秘的なんですよ、なに考えているかがわからないし。きっと娘と父親も同じ感覚なのでしょう。異性ということもあるのかもしれない。私は自分に息子ができたときに、世間のあらゆるマザコン男性を許すことにしましたね(笑)。やっぱり特殊な感覚ですよ。だから嫁姑が「どっちが選ばれるのか」と争うのが不毛。一番は、「大人の男としてやっていくためには、自分の妻と子を守らなきゃいけない」と姑が夫を後押しする形で接してくれるのが望ましいんですが、それが無理だったら、嫁は夫を通して褒めながら姑をコントロールする。あとは、妻が心の病になって初めて、夫が反省するというパターンもあります。

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