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早くも続編決定か!? デンゼル・ワシントンが英国版・必殺仕事人に『イコライザー』

mainxxxx.jpg『イコライザー』(10月25日公開/配給: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント)

 今週取り上げる最新映画は、いわば米国版『必殺仕事人』と、英国版『Shall we ダンス?』。日本の観客になじみ深いシチュエーションと、それぞれのお国柄が反映された細部の描写やストーリー展開を楽しめる痛快な2作品だ。


 『イコライザー』(10月25日公開)は、オスカー俳優のデンゼル・ワシントンが、合法的に処罰できない極悪人たちを鮮烈なテクニックで抹殺する元CIAエージェントに扮したサスペンスアクション。ホームセンターで働く中年男性のマッコール(ワシントン)は、温厚な性格と面倒見の良さで同僚から信頼され、静かで質素な生活を送っていた。だがある夜、近所の食堂で、ロシアンマフィアに囲われた未成年の娼婦テリー(クロエ・グレース・モレッツ)の絶望的な境遇を知り、封印していた正義感と特殊技能を覚醒させる。マフィアの拠点に単身乗り込んだマッコールは、部屋にあった灰皿や花瓶などを武器に変え、屈強な男たち5人をほんの十数秒で倒してしまう。しかし、これはマッコールと強大な組織との壮絶な戦いの始まりに過ぎなかった。

 原案は80年代に米国で放映された同タイトルの連続ドラマで、日本でも『ザ・シークレット・ハンター』の題で放映された。イコライザーとは、もともと「等しくする、たいらにする(物や人)」という意味で、本作では社会の悪を抹消し世の平穏を保つ仕事人を指す。監督は、『トレーニング デイ』(2001年)でワシントンにアカデミー主演男優賞をもたらしたアントワン・フークワ。13年ぶりのコンビ復活で、穏やかな日常から冷徹なバイオレンスへと主人公が豹変するさまをスリリングに表現してみせた。まるで居合いの達人のような、瞬時の状況把握と素早いレスポンス、正確無比な攻撃の描写は、演出にうるさいアクションマニアをもうならせるはず。『ボーン』シリーズのスピーディーでスタイリッシュなアクションと、『96時間』シリーズの“無敵のオジサマ”の良いとこ取りをしたような快作で、米国ですでに大ヒットしていることから、続編製作の可能性も大だ。

 もう1本の『カムバック!』(10月25日公開)は、『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』(08年)、『宇宙人ポール』(11年)などサイモン・ペッグとの共演でも知られる俳優ニック・フロストが、製作総指揮・原案・主演の3役を務めたダンスコメディ。十代の頃サルサダンスの才能を開花させながら、いじめが原因で踊らなくなり、25年後の今はすっかりメタボ体型の会社員ブルース。新任の美人上司ジュリア(ラシダ・ジョーンズ)に憧れるが、たまたまジュリアがプライベートでサルサダンスを踊っていることを知り、彼女の気を引くためにダンサーとして返り咲くことを決意する。

 会社勤めのさえない中年男性が、ダンスでいきいきとした人生を取り戻すという構図は、1996年の周防正行監督作品で世界的に大ヒット、ハリウッド版リメイクも製作された『Shall we ダンス?』そのもの。ただし本作の主人公がおデブキャラ、音楽がサルサという2点のおかげで、ユーモラスで陽気なムードあふれる楽しさいっぱいのコメディに仕上がった。終盤に入り、太い体にもかかわらずキレの良い見事なパフォーマンスを披露するフロストに、思わず拍手喝采を送りたくなるはず。ダンス好きなら必見の1本で、単調な仕事や生活に疲れ気味の方にも、ぜひ鑑賞して元気になっていただきたい。“相棒”サイモン・ペッグが一瞬だけ登場する場面もお見逃しなく。
(文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉)

『イコライザー』作品情報
<http://eiga.com/movie/78782/>

『カムバック!』作品情報
<http://eiga.com/movie/80276/>

最終更新:2014/10/24 23:00
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