【ノーベル物理学賞】テレビが報じない、青色LEDをめぐる日本人3人の確執と和解
#出版 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
日本国憲法がノーベル平和賞を取れなかったのは残念だったが、パキスタン出身のマララ・ユスフザイさん(17)に決まったことは納得である。
12年10月、スクールバスで下校途中、武装した男に銃撃されたマララさんは意識不明のまま英国に搬送され、奇跡的に回復した。そして昨年7月、16歳の誕生日に国連で演壇に立った時のスピーチが素晴らしかった。
「私は誰も憎んでいない。タリバーンの息子や娘たちに教育を受けさせたい。本とペンを手に取ろう。一人の子ども、先生、本とペンが世界を変える」
本とペンが世界を変える、そう言い切れる日本人がいるだろうか? かつてペンは剣よりも強いといわれていた。だがペンの力は落ち続け、力の強い者やカネを儲ける者が大きな声を上げ、我が物顔に世界を跋扈する。
花森安治が言ったように、ペンが剣よりも強くあるためには日々研鑽を積まなくてはいけない。そうしたことをあらためて考えさせてくれたマララさんの受賞だった。
ところで、ノーベル物理学賞を受賞した3人の日本人をメディアは絶賛して方々で取り上げているが、今週の現代はひと味違った角度から切り込んでいるのが面白い。これを今週の第1位とした。
ノンフィクション作家の山根一眞氏が、LED(青色発光ダイオード)の発明の偉大さをこう解説する。
「LEDとは電気エネルギーを通すと光を発する半導体の結晶のことで、それ自体は’62年に発明されています。’60年代に赤と緑のLEDは開発され、早い段階で実用化ができていました。そこに青色が加われば『光の三原色』が揃い、組み合わせることで白色の照明が可能になる。そうすれば、LEDの用途が大きく広がることはわかっていた。しかし、青色LEDの開発は困難を極め、『20世紀中の実用は難しい』というのが大方の意見だったのです」
赤崎勇名城大学終身教授は松下技研で開発に取り組み、その後、名古屋大学に移って研究を続け、天野浩氏も赤崎氏とともに名古屋大学で研究を続けた。
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