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週刊誌スクープ大賞

【ノーベル物理学賞】テレビが報じない、青色LEDをめぐる日本人3人の確執と和解

 だが、賛成派の土居丈朗・慶応大学経済学部教授は一向に反省せず持論を展開し、実質賃金の低下にはこう反応する。

「それは全労働者平均で見たものに過ぎない。大企業の正社員の実質賃金は上昇傾向に転じており、実質賃金が下げ止まらないことを理由に引き上げに反対したり延期を主張したりすることは、森を見て木を見ない議論で事実誤認である」

 圧倒的多数の中小企業や非正規雇用の連中の賃金低下など知ったことかである。こういう意見を聞いて腹が立たない奴を、腰抜けというのである。ポストは怒る怒る。

「現実には増税分のほとんどは社会保障に使われず公共事業にバラ撒かれているのだから、『世代間格差の是正』など机上の空論だ。まして『木=大企業正社員』が良ければ『森=国民全体』は悪くても良いとは、なかなか思っても言えない“見識”である」

 ポストに挙げられた10%の消費税引き上げ賛成派26人の名前は、いつでも見られるようにポストのネットに上げておいたほうがいい。

 さて、今週の第2位は、サンデー毎日が朝日新聞の現役記者を集めた座談会。それほどの本音を語っているわけではないが、他の新聞社が出している週刊誌に出て、自社の問題点を指摘するというのは、新聞社間ではこれまでなかったと思う。そうした意味では、画期的な企画である。

 木村伊量社長に対する批判には目新しいものはない。だが東電の吉田所長のスクープを、記事まで取り消すとしたことには、現場の相当な反発があることがわかる。いくつか発言を紹介しよう。

「記者D だから木村社長が会見で『記者個人の思い込みと取材不足が原因』と、個人に責任を帰するようなことを言ったのは、一記者として悔しかった」

「記者E 池上コラム問題が起きた直後に『お前らは吉田調書の担当から外れろ』と通告され、以後は取り調べのような聴取を何度も受けて『誤報だったことを認めろ』と責められたようだ。しかも9月11日に木村社長が会見するまで、記事自体を取り消すということを全く知らされていなかったらしい。記事取り消しという当事者にとって致命的な決定を、執筆した記者に通告もせず、いきなり会見で発表するというのは、どう考えても異常だ」

「記者C 一連の事態に関しては、木村社長が悪い、という声もあるが、正直言って社長だけの問題じゃない。今の朝日は、時の政権と対峙し、仮に圧力がかけられても闘うような組織になっていない。上層部の判断も含め、一種のブランドとして『闘うイメージを残しておきたい』という程度の思いはあっても、どこまで本気なのか、しっかりしていない。朝日が今後どうなるのか、相当な危機感を抱いている」

 社のイメージをどん底まで落とし、現場の記者たちの自信を失わせた「大誤報事件」は、まだまだ収束には時間がかかる。そのためには上層部への信頼回復が不可欠だろうが、今の朝日新聞のトップたちにそれを求めても無理だ。

 ここまで来たら、人心一新しかない。それとも朝日新聞新社でも作ったらどうか。出版社はそうやって生き延びてきたところがたくさんあるのだから。

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