篠田麻里子がプロデュースブランド破産に見るファッションと芸能界の皮算用
#サイゾー #ファッション
今年7月、元AKB48の篠田麻里子がプロデュースするファッションブランド「ricori(リコリ)」が全3店舗の閉鎖を発表すると、運営会社も営業を停止し、自己破産すると報じられた。この背景について、週刊誌などはAKBの運営会社であるAKSの窪田康志氏からの資金援助切れを指摘していた。
しかし、アパレルブランドプロデュースでガッポリ儲けている芸能人も少なくない。その実情について、月刊「サイゾー」(cyzo/10月号)の「名義貸しで400万円の荒稼ぎ 芸能人とファッションの皮算用」(http://www.premiumcyzo.com/modules/member/2014/09/post_5398/)という記事が伝えている。
まず、アパレルで儲かっている芸能人と言って思い浮かぶのが神田うの。1999年に毛皮メーカーとのコラボレーション「コスタ・モード・ウノ」を発表したのを皮切りに、アイウェア「UN-O」、ジュエリー「デュノア」をプロデュース。中でも、グンゼと立ち上げた「Tuche」は、ストッキングが大ヒットし、5億円の”パンスト御殿”を建てるほどの成功を収め、今やファッションビジネスの成功者としてのポジションを確立。その他にも千秋が立ち上げた子ども服ブランド「リボンキャスケット」や梨花やYOU、若益つばさなどがファッションビジネスで成功している。
このように多くの芸能人が、同分野に参入しているのには大きく2つの理由があると記事では報じている。まず”オイシイ収入”になること。芸能人が関わる場合、基本的には印税契約で、プロデュースしたアイテムの3~4%ほどがもらえるという。つまり、アイテムが総額で1億円売り上げれば、300~400万円の収入になる。しかも、このプロデュースという一見すると、どこまでアイテムの製作に関わっているかわからないシステムだが、そのほとんどは名義貸しで、タレント側はせいぜいイメージの3~4割を伝え、あとはブランド側のプロのデザイナーがフォローし製品にするのだとか。それだけで400万円もらえるならば、確かに”オイシイ収入”に違いない。また、中国やベトナムには、高級ブランドの下請けとしてOEM製品をつくっている会社が多いため、やろうと思えば、ハイブランドのさまざまなパターンをパクリ放題で、大量生産できるとも言う。こうしたプロデュース業で、芸能人が果たす役割は自分の知名度を提供し、宣伝することで、中小のブランド側にとっては、少ない予算で自社ブランドを宣伝できる効果的なやり方という構図があるという。
このような芸能人プロデュースアイテムを裏方として支えているプロのデザイナーになるには、やはり服飾系スクールが思い当たる。同じくサイゾー10月号の「デザイナーには絶対なれない!?服飾オシャレ学生のトホホな末路」(http://www.premiumcyzo.com/modules/member/2014/09/post_5418/)という記事では、服飾系スクールの内情を報じている。
記事によると、東京都内に60校以上存在する服飾系スクールの中でも、知名度と実績で群を抜いているのが文化服装学院だという。卒業生には、コシノヒロコや高田賢三(ケンゾー)、山本耀司(ヨウジヤマモト)、津森千里(ツモリチサト)、高橋盾(アンダーカバー)などの錚々たる顔ぶれが並ぶ。主な服飾系スクールの初年度の学費は100万円~160万円だが、この他に課題などでつくる洋服づくりの材料費などの金額がバカにならないという。しかも月曜から金曜まで毎日、朝から晩まで授業があり、その都度課題が出されるとも。2年間それだけ時間を費やしながらも、卒業後の進路は、アパレル関係ならオンワード樫山やワールドの販売員がいいところだという。また、大手アパレル企業の企画や経営などのポジションは、慶応や早稲田といった有力大学卒に占められ、仮に技術職で採用されたとしても末端で手を動かす兵隊だという悲しい現実をアパレル業界関係者が告白している。
「サイゾーがファッションを特集?」という声も聞こえてきそうだが、10月号の月刊「サイゾー」は「ファッション裏通信」という特集を組み、今回取り上げた他にも「20万超え!カネと欲望渦巻く女子小学生ファッション誌」(http://www.premiumcyzo.com/modules/member/2014/09/post_5414/)、「「POPEYE」のシティーボーイ復権と裏にある”選民思想”」(http://www.premiumcyzo.com/modules/member/2014/09/post_5415/)など必読の記事が並んでいる。
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