マテンロウ・アントニー×デニス・植野行雄 「若手」高齢化社会の“ハーフ芸人”という番外地
#お笑い #インタビュー
――(笑)。お二人は今、どんな芸人さんを目標にしているんですか?
アントニー それよく考えるんですけど、本当に前例がないので……。
――パイオニアですもんね。
植野 開拓しているところが正しいのかどうかは分かりませんが。そもそも、ほかの芸人さんと戦ってないもんな。僕ら戦ってるの、ふなっしーですから。ゆるキャラがライバル。
アントニー だから新しい何かが出てきたら、僕らはいなくなってますよ。
――そんなことないですよ。
アントニー じゃあ聞きますけど、今、せんとくん好きな人います?
――……。
アントニー この無言が答えですよ。3年後、「いたね?」ってなってますよ。
植野 いや、俺は絶対に生き残る! チャンスだと思ったら、周りを蹴落としてでも前に出ますよ。ブラジルサッカーですから。
アントニー 番組に二人で出るとき、行雄ちゃんは「今日のこの仕事は大事だ」って、入念な打ち合わせを持ちかけてくるんですよ。「じゃあこういう場合はこうして……」「せやな。最初から飛ばさんと、徐々にいこか」とか話しておきながら、番組が始まった途端、めっちゃスタートダッシュするんです(笑)。それからも絶対にボールを離さない。ブラジル人の悪いクセだ。
植野 今、マサイ族のハーフでリロイ太郎っていうのも出てきてるんです。だから「最近のハーフ芸人はどうですか?」とか聞かれると率先して「いや~、リロイ太郎っていうマサイ族のハーフがいて~」って話題にしちゃうんです。
アントニー ……最低ですよ。
植野 そうすると、リロイ太郎はテロップに出るじゃないですか。リロイは「植野さん、名前出してくれてありがとうございます!」って感謝して、僕は「いや、ええよ。仲間やから」って言う。
――いい話じゃないですか。
アントニー だけど、リロイはテロップ出て終わりなんです。番組に呼ばれることはない。面白い話は、行雄ちゃんがバラしちゃってるから。
――悪い先輩だな~。
植野 でもね、当時ハーフの話してるやつなんか誰もいなかったんです。それが(「ハーフ芸人」以降)他事務所のハーフも一斉に「こっちだこっちだ」って向かってきた。だってみんなそれなりのエピソードは持ってるから、それをワンテンポずらすだけでいい。ハーフ芸人集めたネタ見せなんか、全員が全員同じネタですからね。「切れるぞビザが」とか「来い(濃い)よ!顔が」とか。
――でも、芸人さんに限らず「自分だけでも……!」という気持ちは大切だと思います。
植野 僕だけかもしれないですけどね、性格悪いのは(笑)。ただ地を這ってでも売れたいとは思います。
アントニー このDVDを見ても分かると思いますけど、いい年した大人が地を這いながら、それはそれは一生懸命バカなことをやってます。
植野 言ってみれば「次世代」じゃないですか。面白い人はもちろん、イケメンもいっぱいいる。DVDを見て興味を持った方は、ぜひ劇場のほうに足をお運びください。
アントニー 外人もいますしね。これはニッポンの縮図ですよ!
植野 ホンマに金なくても、こんなに楽しく遊べんねんなと実感しました。食券獲得も、戦いでしたよ。ウワサで「食べ物のタダ券もらえるらしいぞ」って聞いて、いろいろ聞き込みして、担当のスタッフさんにたどり着いたらやっともらえる。なんやねん、そのシステム!
アントニー なんで行きのバスで配らないんだ!
植野 あわよくば渡さんとこという、その精神……。
アントニー This is YOSHIMOTO!
(取材・文=西澤千央)
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