「すいません、1位に勝っちゃいました(笑)」パンクラストップを撃破した渋谷莉孔“大金星”のワケ
#格闘技
格闘界の常識を覆すビッグサプライズが起きた。地下格闘技出身でプロ経験わずか3戦目の選手が、メジャープロ団体「パンクラス」のトップランカーを撃破したのである。大番狂わせを演じたのは、アマチュア総合格闘技イベント「THE OUTSIDER(アウトサイダー)」でデビュー後、地下格闘技を渡り歩いてきた渋谷莉孔(29)。かつては奇抜な不良的言動で話題になることが多かった渋谷だが、いまや格闘技の実力のみで世界へ羽ばたこうとしている。パンチもキックもキャラクターも「アウトサイダーに出ていたころとは完全に別人」と自負する渋谷に話を聞いた。
――9月13日に東京・Coconeriホールにて開催された「TTF CHALLENGE 02」で、パンクラス・スーパーフライ級1位の古賀靖隆選手に勝利(延長判定3-0)。「大金星」「大番狂わせ」との声も多いですが、本人としては?
渋谷 実は最初から勝算はありました。試合前、動画で相手のKO勝ちのシーンを見たら、パンチが大振りだったんで、「あ、これは見えるな。寝技になんなきゃ打撃で勝てるな」と思いました。試合前にジムの先生とかからも、「お前のほうが強い」と言われていたし。一般的に見たら「どう考えても負ける」という試合かもしれないけど、自分的にはそこまでの差があるとは思わなかったです。実際、試合をやっている最中も、相手のことを「全然強くないな」と思いました。ただ、「(タックルが)しつこいな」っていうのはありましたけど。
――ベテランの格闘ライターいわく、「キャリアが違いすぎるので、普通なら絶対に組まれないカード」とのことでした。どういう経緯であの試合が決まったのでしょう?
渋谷 知り合いのブッカーから、自分にオファーがあったんですよ。「TTF CHALLENGE」と大会名にあるように、経験が浅い選手にもチャレンジの機会を与えようという趣旨だったみたいです。こういうマッチメイクはいいですよね。自分みたいな奴が埋もれているってことが、わかるじゃないですか。
――当日、会場にいた世界トップクラスの寝業師・青木真也選手が、「アウトサイダー出身の選手が今日勝った試合が凄く良い試合だった。普通に強かったし練習してる人の試合でした」とTwitterで評価をしていました。
渋谷 光栄ですね。
――渋谷選手の「タックルを切る技術」を評価する声も多いです。
渋谷 切る技術っていうより、それ以前に対戦相手が、自分の打撃が完全に効いて、心が折れているのがわかりましたね。「ちょっと待ってくれよ……」って顔をしていたのがよくわかりました。
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