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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > ふなっしーついにガチャピン化か
週刊!タレント解体新書 第12回

ふなっしーが子どもたちを熱狂させる3つの理由 フジ『世界ベスト・オブ・映像ショー』(9月23日放送)を徹底検証!

<3>見たことのない景色を見せてくれる

 番組の中でも最も感動的な映像は、ふなっしーがマイアミのメモリアルリーフで海底都市を歩くシーンだ。大量のおもりを自身にインストールして、ふなっしーは海の底に沈む。そして海底を歩きながら、「水の中ってこんな、空を浮いているような感じなっしー! 素敵なっしなー!」と感激を伝える。この様子を見て、“ぼくも水の中を歩いてみたい”と思う子どもたちは、決して少なくないだろう。ふなっしーは自らがそれを体験することによって、子どもたちの好奇心を喚起させるのだ。

 もちろん以上のことは、行為としては例えばリアクション芸人にもできることではある。だがなぜふなっしーだけが、子どもたちからここまで熱狂的な支持を集めるのか? それは、ふなっしーが無力だからだ。その肉体的な形状から、動きにも限界があり、いわば不自由な存在である。そして子どももまた、無力であり不自由な存在なのだ。大人のように自由に物事を決められるわけではなく、肉体的にもまだまだ幼い。そんな自分たちを象徴するのが、ふなっしーという不自由な存在である。

 だからこそふなっしーは、子どもたちに勇気を与える。無力であっても、不自由であっても、こんなにすごいことができてしまうのだと、ふなっしーは自らの行動で子どもたちに示してくれる。ふなっしーは、ただの一発屋的な人気者ではない。子どもたちに勇気を与え、そしてもしかしたらその人生に影響を与えるかもしれない、子どもたちにとっての憧れの存在なのだ。

【検証結果】
 現在、爆発的な人気を集めているふなっしー。だが、その人気に溺れることなく、自らは「飽きられて時間ができたら、のんびり幼稚園などを回って子どもたちを楽しませたい」と語っている。子どもたちに勇気と歓喜を与えるために生まれた、まさに妖精。ふなっしーという名のファンタジックなストーリーは、これからも終わることなく、永遠に続いていくのだろう。
(文=相沢直)

●あいざわ・すなお
1980年生まれ。構成作家、ライター。活動歴は構成作家として『テレバイダー』(TOKYO MX)、『モンキーパーマ』(tvkほか)、「水道橋博士のメルマ旬報『みっつ数えろ』連載」など。プロデューサーとして『ホワイトボードTV』『バカリズム THE MOVIE』(TOKYO MX)など。
Twitterアカウントは @aizawaaa

最終更新:2014/10/03 19:30
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