「奥さんさえいれば、友達なんていらない」テレビでは見られない“黒蛭子”の極端すぎる人づきあい観
#本 #インタビュー #蛭子能収
■奥さんは、どうしても必要な存在だった
――蛭子さんが、お葬式みたいな場所に行くと笑っちゃうというのは有名ですが、前の奥さんのお葬式では、ものすごく泣けたそうですね。
蛭子 そうですね、それまで他人の葬式っていうのは、どんなに親しい人でも全然悲しくなかったんですよ。
――逸見政孝さんとか、山田花子さん(漫画家)なんかのお葬式にも出られたそうですけど。
蛭子 山田花子さんの時も、すごく笑ってしまったから……。すごく友達だと思ってたんですけど、だけどあんなに笑ったということは、そうも思ってなかったのかなって。
――悲しいっていう気持ちはあるんですか?
蛭子 それはありますよ。あんなに面白い漫画を描いていたのに、どうして自殺してしまったんだと。それでも笑っちゃうんですよね……。だから、オレが死んだ時も別に悲しんでもらわなくていいと思ってます。死んじゃったら何の心もないわけですから、わざわざオレの葬式のために時間を使ってもらいたくないんですよ。各自で好きなことをしててもらいたい。人の自由を奪うのがイヤなんで。
――それでも、奥さんの時はすごく泣けたと。
蛭子 やっぱり、どうしても必要な存在だったのかな、奥さんっていうのは。自分にとっては、すごく大切な人だった。
――で、前の奥さんが亡くなってから、「必要な存在だ」ってことで、必死になって次の奥さんを探し出したらしいですね。
蛭子 ものすごく必死で探しました。ファンレターに電話番号が書いてあったら電話して「ご飯でも食べませんか?」とか。
――それは「寂しい」っていう気持ちからだったんですか?
蛭子 そうですねぇ。電車に乗ってても、知らない女性が「寂しくなったら電話して」って電話番号くれたりしましたからね。
■「奥さんって、セックスの面でも便利ですよね」
――今回の本って、「自由」というのがテーマなのかなと思いますけど。
蛭子 そう。自由が一番楽しく生きる方法だと思いますね。ただ、そのためには、自分がやりたいことがなけりゃダメだと思うんですよ。やりたいことがない人に限って、友達に走って悪いことをする
――友達に走って(笑)。
蛭子 人間ってグループになると、たいてい悪い方向に行くでしょ。態度が大きくなるし、個人に対して失礼なことをしがちじゃないですか。だから、すべてのグループを否定しますね。ロクことはない、仲たがいもする、面白くない。だって、今までのグループって全部潰れてますよ。中核派とか革マル派とか、ロクなもんじゃないですよ。仲間割れになって殺し合いになって潰れていくじゃないですか。これがすべてのグループの末路ですよ。絶対に、支配する側と虐待される側に分かれちゃうんだから。
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