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週刊誌スクープ大賞

朝日新聞を打ち負かした週刊誌に、元名物編集長が苦言「他山の石として襟を正せよ」

 ところで、光文社発行のFLASHが、発売直前にすべて回収したことが話題になっている。

 早くからいわれていたことだが、文春がその経緯を書いている。アメリカアップル社のデータ保管・共有サービス「iCloud」から多数の女優たちのヌード写真などが流出して大騒ぎになっている。私も何枚か見たが、ジェニファー・ローレンスやモデルのケイト・アプトンなどの過激な写真がネットで拝める。

 編集者であれば、この流出写真を商売に結びつけようと考えるのは自然ではある。だが、彼女たちから天文学的な賠償訴訟を起こされるリスクも、当然ながらある。

 FLASH関係者がこう語っている。

「社内に見本誌が配られたのが発売前日の午前中。それを見た上層部が訴訟沙汰になるのを怖れたというのが真相です」

 袋とじにしたからといって、訴訟を回避できるわけではない。私が講談社にいたころ、Viewsという月刊誌で“知の巨人”といわれるライターがインターネットについての連載をしていたことがある。

 知の巨人氏は、ネットサーフィンをやって、死体ばかり載っているサイトや誘拐殺人事件で被害に遭った美少女のサイトを紹介し、そこにある写真をコピーして雑誌にそのまま載せていた。

 いま考えれば長閑な時代だが、ある時、くだんの美少女の権利を持っているエージェントからクレームが入り、掲載の了解を取っていないのになぜ載せたのかという抗議文が届いた。私が前面に出て謝罪をし、なにがしかの掲載料を払ったが、今だったらその程度のカネでは済まないであろう。

 FLASHは部数も低迷している赤字雑誌だから、1号出せない大損失をどうするのだろう。「この際、休刊してしまえ」という声が社の上のほうから出てくるのは間違いない。AKB48人気も去った今、FLASH存続は風前の灯火である。

 今週の4位。新潮にスポーツ選手の種目別の「寿命データ」が載っている。これがなかなか興味深い。

 大妻女子大学副学長の大澤清二氏が調査したそうだ。江戸時代の力士から1979年まで30種目1,920人のアスリートの寿命データを、80年代から90年代初頭まで15年かけて新聞の訃報欄から割り出したというから、かなり信ぴょう性のある労作である。

 その結果、平均寿命が長かった種目ベスト3は、陸上中距離(80.25歳)、スキー(77.28歳)、剣道(77.07歳)だったという。

 大澤氏によれば、

「長寿を得やすいのは、持久力系であること、生涯続けられる競技であること、自分のペースでやれて怪我が少ないことといった共通点があります」

 柔道も、72.42歳と長生きの競技だ。

 それに反して短命の種目の第1位は、誰が考えてもうなずくであろう、相撲である。56.69歳だ。だが、これはプロの場合であって、アマ相撲は73.61歳と長生きである。2位は意外にも自転車で57.00歳。プロボクシングが3位で61.47歳。ストレスがかかり、ケガをしやすいという共通項があるという。

 ちなみにゴルフは73.57歳、水泳は71.19歳だそうだ。私の講談社の先輩に70後半でも矍鑠(かくしゃく)としている人がいる。彼は学生時代から剣道をやっていて、長く講談社の剣道部長をやり、今でも週に1~2回は講談社で剣道を教えている。

 酒好きで豪快を絵に描いた人だが、やはり剣道は体にいいようだ。私も、もう少しゴルフに身を入れてみようか。

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