伝説のホラー漫画家・日野日出志が作品を振り返り語る。『蔵六の奇病』秘話……他
#アダルト #SOD
日野 宮崎勤事件で、私の監督したビデオが犯人の部屋から出てきたんです。後にデマだとわかったんですが、警察によって、宮崎勤が私の監督作品から影響を受けたと語っていると発表されてしまったものだから、マスコミからは犯人扱いをされてしまいました。
──それは災難でしたね……。今回の『薔薇の迷宮』は、サスペンスとエロスの融合というテーマですが、元々エロスに関心はあったのでしょうか?
日野 もともと、エロティシズムは興味のあるジャンルで、以前、青年向けに怪奇とエロティシズムをテーマにした作品を連載していたこともあります。今回は、恐怖心をそそるようなサスペンスとともに、薔薇をモチーフにした叙情的なエロスを表現しているんです。
──日野さんらしい耽美なエロスの世界ですね。AV女優の友田彩也香さんを起用しての撮影はいかがでしたか?
日野 友田さんは、非常に演技がうまくて助けられました。段取りを説明しただけなのに、リハーサルでOKが出てしまったんです。今回の作品は友田さんがいなかったら成立しませんでした。
──ところで、なぜ友田さんを主演に選ばれたのでしょうか?
日野 目の表情に憂いがあったからですね。ラストシーンで、この目がほしいと考えたんです。
──では、あのスレンダーなカラダありきではなかった?
日野 そうですね。もちろん、ベッドシーンでもドンドンと男優をリードをしてくれるのでやりやすかったです。
──さすが人気急上昇中の女優! プレイはお手のものですね。しかし、今回は女性向けのエロスということで監督自身も苦労されたのではないでしょうか?
日野 そうですね。自分だけでは、どうしても男目線になってしまうので、女性スタッフのアドバイスを参考にしながら制作しました。やはり、女性のエロスの捉え方は違いますね。男性の顔や背中を観たいという意見や、キスシーンも多めに盛り込んでいます。
──では、最後に読者の方々にメッセージをお願いします!
日野 自分としては、ここまでエロスを前面に出した作品は初めてです。素直にエロスを楽しんでもらえればいいですね。
──ただ、日野さんらしいサスペンスということで、怖さのあまり見るのをためらう読者も多いと思いますが……。
日野 今回は、人が傷つけられたりしない「きれいなサスペンス」です。あまり怖がらずに見てください(笑)
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