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いわば、現代に絶望した芝が、ユートピア「江戸」を妄想しながら生み出したファンタジーこそが「江戸しぐさ」であり、それゆえに不自然に現代的な「江戸しぐさ」が数多く存在しているのだ。その後、江戸しぐさは、芝の弟子である越川や日本経済新聞社社友の故・桐山勝氏などの運動によって拡大。かつて200といわれていたその数はいつの間にか800に膨らみ、独り歩きを続ける。そして、「古き良き日本」の代名詞として、教育現場にまで取り入れられるようになっていったのだ。
原田は、皮肉としてこう語っている。
「『江戸しぐさ』で重要視される概念に『真贋分別の目』というものがある。『江戸しぐさ事典』によるとそれは、『周囲の意見に惑わされることなく、自分で相手が信用できるかを判断できる目』なのだろう」
江戸しぐさは、伝統的な江戸の心なのか、それとも現代人が勝手に捏造したフィクションなのか――。本書を読むと、どうやら前者である可能性は限りなく薄いようだ……。
(文=萩原雄太[かもめマシーン])