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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 江頭2:50を最も輝かせる番組
テレビウォッチャー・てれびのスキマの「テレビ裏ガイド」第67回

江頭2:50を最も輝かせる『「ぷっ」すま』というホーム

 『「ぷっ」すま』での江頭は、まさにその名言を地で行く活躍を見せている。特に彼の本領が発揮されるのが、人気企画「ギリギリマスター」だ。ある事柄をいかに限界寸前で止められるかを競うこの企画に、江頭はたびたび“問題”として登場する。江頭がどこまで記録を伸ばせるかを、回答者が見極めるのだ。

 これまで江頭は「ギリギリリンボーダンス」「ギリギリ人間ブリッジ」「ギリギリ運河渡り」「ギリギリダンクシュート」などに挑戦。そのほとんどで、「俺は驚かせてナンボじゃ!」という言葉通り、予想をはるかに超える超人的な記録を叩き出す。そして、スタジオにいる全員が驚きと歓喜で「ドーン!」と拳を突き上げる、異様なテンションの空間に変えるのだ。笑いと驚きが共存することこそ、江頭の真骨頂だ。

 8月29日、9月5日の放送は「イカ部」。イカを愛する草なぎがイカを釣る、という企画だ。『27時間テレビ』での“約束”を果たすかのように、そこに“乱入”した江頭。江頭は「イカ部」そっくりの番組企画「エガ部」を立ち上げたという。

「このエガ部は、YouTubeで番組を持つためにいま動いてるんだよ!」

 全員からツッコまれると「YouTubeはなんでもあり!」と叫びながら、やはり大暴れし始める江頭。実にイキイキしている。

 江頭はかつてインタビューで「こんなこと言っちゃダメなんですけど」と前置きしつつ、「正直な話、いっぱい仕事が来たとしても選ばせてもらって」いると明かしている。なぜなら「キンタマ据わってる人としかやりたくない」からだ。彼が「無茶」をして笑いを取っても、それが使われなければ「俺の存在価値はなくなる」と。(「hon・nin」Vol.05/太田出版)

 そんな江頭が“選ぶ”数少ない番組の一つが『「ぷっ」すま』だ。そして、江頭の「無茶」を誰よりも爆笑しているのが草なぎだ。彼は江頭が“暴走”しても、決してありきたりのツッコミで止めようとしない。いきなり、江頭がタイツを脱いでバリカンで陰毛を剃り始める暴挙に出て、他の共演者が呆然となりその行動に引いていても、草なぎだけは屈託なく笑っている。また「物件拝見トレジャーバトル」などでよく見られる草なぎとの相撲対決も、いつだって“ガチンコ”勝負だ。だから、江頭は思い切り戦うことができるのだ。まさに江頭にとって、『「ぷっ」すま』は“ホーム”なのだ。

 江頭はかつて、この番組のカメラの前で堂々と宣言した。

「これからも俺、命を張っていくから、殺していい! ちゅうか殺せ! 死ぬトコ見たくない? いいよ、俺(の命を)差し上げる!」

 江頭は信頼するスタッフと共鳴するライバルがいるからこそ、命がけで“伝説”を作ることができるのだ。
(文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>)

「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

最終更新:2019/11/29 17:56
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