ALSの知名度上昇を利用して……「アイス・バケツ・チャレンジ」詐欺が横行中!?
#事件 #詐欺
次々に著名人が氷水をかぶったALS(筋萎縮性側索硬化症)支援のチャリティー「アイス・バケツ・チャレンジ」を悪用した詐欺が現れていたことが分かった。
「●●さんからご指名がありました。寄付か、氷水をかぶるか選択してください。氷水をかぶる場合はインターネット上に画像を。寄付する場合は以下の口座に」
都内在住40代女性の元にはこんなメールが届き、そこには送金先がALSとはまったく無関係の口座が載っていたとして、警察署などに苦情が寄せられたという。
著名人たちの氷水をかぶるパフォーマンスが話題となって一気に広がった同チャリティーは、「やり方がふざけている」「売名行為に利用されている」など批判も多いが、支援団体の日本ALS協会には、8月末までで例年の約4倍、約2,700万円の寄付が集まったという。そんなブームに乗じた「寄付金詐欺」が登場したわけだ。
まだ被害者から実害が報告されたという話は届いてこないが、悪質な詐欺メールに書かれた送金先の銀行口座は、なんと8月上旬に起こったネットオークショントラブルで使われていたものと一致。くだんのネットオークションでは「送金したのに商品が送られてこない」という被害が刑事事件となっており、警察が捜査中。被害者のひとりは「担当刑事からは、犯人がオレオレ詐欺のグループの関係者である可能性が高い、という話を聞いた」という。
幸い、この口座はすでに銀行による利用停止の措置で送金ができなくなっており、これ以上の被害が生まれることはないが、別の新たな口座に書き換えて送信されれば被害拡大の可能性は十分。
また、オレオレ詐欺グループらしく、ほかでは電話で「ALSのチャリティーをやっている」という寄付の勧誘があったとする報告もある。こちらは、氷水をかぶるかの選択ではなく、いきなり寄付を募るというもので、ALSという病名が広まったことに付け込んだもののようだ。
こうした誘導型の詐欺は、専門家によれば「寄付金を募るからには、きちんとした団体の名称を名乗るはずで、『寄付のNPOをやっている者ですが』など曖昧なのは危険。そもそもメールや電話で寄付を募るのは、ほとんどが詐欺」だという。
氷水をかぶるか寄付するか、そしてその後、24時間以内に3人指名しろという「アイス・バケツ・チャレンジ」だが、ヘタすればその急速な広がり同様に詐欺をも広めてしまうかもしれない。
(文=ハイセーヤスダ)
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