『るろ剣』『花子とアン』の美少女が問題作に主演『人狼ゲーム ビーストサイド』で驚愕の大変身!
#映画 #インタビュー #土屋太鳳
──怒った土屋さんの表情も素敵です(笑)。でも、10代の女の子で香港アクション映画好きで、ドニー・イェンをリスペクトしてるのも珍しいですよね。
土屋 アクションものが全般に好きで、家族みんなでよく観てました。弟がとくに香港アクション映画が好きなんです。私もジャッキー・チェンさん主演の『ラッシュアワー』(98)は何度も繰り返し観ましたね。アクション映画を観ているうちに、どうしても香港アクションもの、そしてドニー・イェンさん出演作にハマってしまうんです(笑)。ドニーさんって、技の切れ味が鋭いんです。『るろ剣』に出演が決まって、谷垣さんからいろいろアクション映画を見せていただいたんですが、「この人、観たことあるなぁ」と思っていたら、ドニーさんでした。後から気づいたんです(笑)。
──谷垣さんはドニー・イェン率いるスタントチームの重鎮ですからね。えっと、あまりドニー・イェン話をしていると宣伝担当者の視線が気になるので、そろそろ主演映画『人狼ゲーム ビーストサイド』の話題を。「人狼ゲーム」のルールに従って、高校生たちが実際に殺し合うという驚愕の密室サスペンス。かなり過酷な体験だったのでは?
土屋 はい、私も今回の出演オファーをいただいたときはビックリしました。『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』や『花子とアン』などはオーディションを受けていただいた役でしたが、今回の『人狼ゲーム ビーストサイド』は「次の主演映画が決まったよ」とマネージャーさんに言われて、「あっ、はい。やります!」という感じで脚本を読んだんですね。これまでに出演した作品には明快なテーマがあって、「よし、自分の役を演じることで、作品のテーマを観る人に届けよう」と思えたんです。でも、今回の作品は脚本を読んでも「何を伝えたいんだろう?」とすごく悩みました。人狼ゲームが進んでいく中で、参加者たちを次々と追い詰めなくちゃいけない役。難しかったですし、戸惑いました。
──これまでは『鈴木先生』(テレビ東京系)の小川蘇美みたいな優等生役を演じることが多かっただけに、余計難しかったでしょうね。
土屋 はい。私は演技を基礎から学んだわけでもないですし、その役として生きることが役づくりだと考えているんです。作品の社会的背景やテーマ性について自分なりに考えることで、これまで役づくりをしていたんですが、今回の樺山由佳役はそういった役づくりができませんでした。
──今まで自分なりに培ってきた役づくりのノウハウが役に立たなかったと。
土屋 そうなんです。でも、高校生同士が殺人ゲームを行なうってセンセーショナルさだけのエンターテイメント作品にはしたくなかったんです。リハーサルが3日間あったんですが、悩んだだけで何もつかめませんでした。どうしようかと考えているうちに、クランクインの朝が来て、家を出るときに姉が写真を撮ってくれたんですね。太陽が薄い雲に覆われていて、私の顔が映っている画像なんですが、その様子がまるで人間がオオカミに変身してく姿に思えたんです。今にも「ワォーン!」って吠え出しそうな感じ(笑)。姉が撮った画像を見て、思ったんです。今回の作品は人を殺したり殺されたりする物語なだけでなく、人が人でなくなっていく過程を描いたものじゃないかなって。そう思いついた瞬間、モヤモヤが収まりましたね。自分なりのテーマをつかむことで、撮影に挑むことができたんです。それでも、大変でしたけど(苦笑)。
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