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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 小林幸子コミケで歓迎されたワケ
織作亜樹良の「アニメ・クローズアップ!」

前評判を覆す“ラスボス”の快進撃! 小林幸子はなぜコミケで受け入れられたのか

 大物芸能人だからといって特別扱いされることを受けず、コミケの基本精神(お互いが等しくイベント参加者)に則った行動をしていたからこそ、多くの人から賞賛の声が上がったのだ。今まで演歌など聴いたことないような若い参加者も、コミケを機に小林幸子のファンになったといった話も聞く。売り切れたCDはその後、ネットオークションで高騰するなど反響を呼び、再販の要望も多数上がっているそうだ。

 今回、アマチュアの世界にプロが逆参入してきて成功を収めるという稀有な例を、小林幸子は示したと言えるだろう。これを受けて、我も続けと参入してくるプロが、今後も現れるかもしれない。メジャー流通の音楽セールスが頭打ちしている今、コミケの盛り上がりは確かに熱い。しかし、だからといって安易にプロが参加したとしても、いい結果は生まれないだろう。コミケの理念に沿った形で参加しなければ、いくら作品が素晴らしくても参加者たちから受け入れられることはないのである。

 小林幸子は叩き上げの人と聞く。地方営業であろうが中小企業の慰労会であろうが、これまでどんな客とも真摯に向き合ってきた。だからこそコミケという場に来ても、ほかの参加者と同じ目線で接することができたのだ。紅白歌合戦のラスボスは、やはり伊達ではない。
(文=織作亜樹良)

最終更新:2014/08/25 18:00
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