デビュー25周年、イカ天バンド【人間椅子】が現代に喝!「この国はヤバいと思っています」
#音楽 #インタビュー
──今回のアルバムはどんなことがテーマになっているんでしょうか。
和嶋 今回は「人間は自由で、自由は豊かさにつながる」ということを言いたかったんです。25年間やってこれたのは、自分たちがずっと自由な気持ちでやってきたから。その気持ちを伝えたくてね。でも、作り足りなかった部分も結構あります。歌の面でももっとこうすればよかったっていうのがね。
鈴木 歌い方? 今頃かよ(笑)。まあ、でも今回はちょっと急がされて作っちゃったからね。俺の関わった率も低かった。関わった率20%くらいなんじゃないかな(笑)。
ナカジマ それでも、この時一番のグルーヴ感が出ていますよ。ロックはグルーヴがなくなったらなんにも面白いことはないんです。
和嶋 そう、まさにプロの演奏ですよ(笑)。
──ロックや表現活動については今、モラルの問題がこれまで以上にうるさくなりました。昔はロックはむちゃくちゃするのがカッコいいという時代もあったと思うんですが、そういうこともできない時代になりつつあります。人間椅子の創作活動にもそういったことが影響したりということはありますか。
和嶋 それはもうね、本当にやばいと思っているんですよ。この国もやばいと思ってます。そのことも全体を通して言いたかったことのひとつなんです。人をすぐ言論で叩いたり、揚げ足をとったりね、優しさがない。人と同じことしてなきゃイケナイみたいな。だから、SOSを発信するように、そういうメッセージも作品に込めました。今の風潮は危険信号がともっていると思っていますよ。「がらんどうの地球」って曲はまさにそうで、そういうことに対して、本当にヤバいよっていうことを書いてみた。このままいったらたいへんだよって。モノがいえない時代が進むと、世界中がたいへんなことになるよって。
──逆にそういう時代にロックをやっていく若い人たちにアドバイスってありますか?
和嶋 怖がらないでやってくれと言いたい。怖がるものは何にもないと思うんです。それはただ乱暴に生きて犯罪をしろということではないですよ。相手を傷つけるのはいけないことだし、自分にも還ってくること。そういうことさえしなければ、何も恐れることはない。表現したいって思うことは、いいことの第一歩なんです。その気持ちを大事に大事に育ててほしい。過激なことに関しても、ロックはそれをやれる唯一のジャンルなんです。表現なんだから、何をやったって大丈夫なんですよ。
──これからツアーが始まります。最後にツアーの意気込みをお願いします。
和嶋 ツアーではCD以上にグルーヴのある演奏をできると思うので、生演奏のロックのすごさっていうのを体験してもらいたい。結構圧倒されたりするみたいですからね。それを堪能していただけたら。
鈴木 アルバムと違う尺でやる。例えばギターソロが長くなったりね。そういうアルバムと違う尺の演奏をどんどんしていくつもりなので、楽しみにしていてほしいです。
ナカジマ 生身の3人が生の演奏をする。その醍醐味をライブで観てほしいですね。
(インタビュー・文=名鹿祥史)
人間椅子公式ホームページ
http://ningen-isu.com/
「二十五周年記念ツアー ~無頼豊饒~」
8月20日(水) 仙台 LIVE HOUSE enn 2nd
8月22日(金) 青森 Quarter
8月24日(日) 札幌 Bessie Hall
8月30日(土) 熊本 B.9 V1
8月31日(日) 博多 DRUM Be-1
9月3日(水) 広島 HIROSHIMA BACK BEAT
9月4日(木) 香川 高松 モンスター
9月12日(金) 大阪 梅田 Shangri-La
9月14日(日) 名古屋 Electric Lady Land
9月20日(土) 恵比寿 LIQUIDROOM(ソールドアウト)
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