デビュー25周年、イカ天バンド【人間椅子】が現代に喝!「この国はヤバいと思っています」
#音楽 #インタビュー
──デビューは1990年の『人間失格』。イカ天出演の翌年ということで、やっぱりイカ天出演が大きかったのですか?
和嶋 もちろん。それがないとデビューできませんでしたよ。売上などは具体的には言えませんが、アルバムも多分僕らの中では一番売れましたね。でも、やっぱりアンダーグラウンド臭もあったのか、テレビなんかは数回出ただけで、その後は減っていきましたけれどね。
鈴木 人気もその後すぐ下火になっていったよね。
和嶋 徐々に徐々に。で、突然がくんと(笑)。デビューは早かったって正直思いましたよ。自分たちの理想ではライブハウスで2~3年頑張って、ライブハウスシーンで火がついて、みたいなストーリーだったんですけど、イカ天に出てすぐデビューでしたからね。でも、流れがそういう感じになっていたんですよ。イカ天に出た人はデビューみたいな。
──今でも原点はずっとライブハウスにある感じですか?
和嶋 ただライブをやるだけではダメですけれどね。作品を発表することも大事。いいCD作ろう、そして活動を続けることが大切だと、いつも思っていますよ。
──イカ天から20年以上経ちました。若い頃と比べて体力的にはどうなんでしょう。
和嶋 微妙に落ちてきてるとは思いますよ。でも、演奏できなくなるまで続けようと思っています。
ナカジマ やれるんだったら、いつまでもやってたいですね。
鈴木 動きは鈍くなるかもしれないけどね(笑)。
ナカジマ 体力的なことは、確かに昔は元気が有り余っていましたけど、それが逆に酒の飲み過ぎなんかにつながったりもしたんです。今はちゃんと管理するようになりました。
鈴木 明日ライブだってなったら深酒しないとかね。それがカッコいいか悪いかはわからないけど(笑)。
和嶋 節制してやるようになりましたよ。ライブもやっぱりベストな状態でやらないと、自分たちも楽しめないし、お客さんも楽しめない。
──今回の『無頼豊饒』で、アルバムとしても22作目。長くやっていて、表現者として作品を作り果たしたような感覚というのはあるんでしょうか。
和嶋 ないでしょう。これを作ったあとも、ここをこうしておけば良かったというのがやっぱり出るんですよ。その気持ちがある限りは作り続けるでしょうね。新しい試みもずっと続けたいと思っています。今回も木魚を入れたり、アコースティックナンバーをやったりね。コラボレーションなんかも今後どんどんやっていきたいと思っていますよ。
──デビュー当時とは違ってテクノロジーの進化もあり、今は誰でも簡単にCDが作れてしまう時代になりました。
和嶋 ギターもいくらでも修正がきく時代になりましたね。でも、グルーヴが大切なわけで、それやっちゃうとね、というのはあります。僕らは今でも一発で録るんですよ。歌も多少下手でもあんまり直さないようにしています。人間の感じをやっぱり出さないとねって。昔のロックがいいのは、それもあると思いますよ。ちょっとヨレっとしている感じとか、生々しいところとか。ニューアルバムでも(テクノロジーに頼るような部分は)ほどほどにしています。もちろん、少しは使っちゃいますけど。
ナカジマ 人間椅子のレコーディングへの姿勢は、僕が入って10年間まったく変わっていないんですよ。プロ・ツールスの性能とかがよくなって、エンジニアの人はいろいろ便利になったでしょうけど、僕ら自体は全然変わらない。せーので演奏して、全員でOKになるまでやり続けるというね。ヴォーカル以外は1発録りですよ。それでしかグルーヴ感は生まれないと思っているんです。キレイに作るより、やっぱりグルーヴが大切なんです。
和嶋 一作目からずっとそうですよ。グルーヴがいい時って、その曲の録りはじめから分かったりして、マジックを見ているような感じで、すごく気持ちがいいんです。
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