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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > 人間椅子、25年目の告白

デビュー25周年、イカ天バンド【人間椅子】が現代に喝!「この国はヤバいと思っています」

ningen_isu_int_waji.jpgギターの“ワジー”こと和嶋慎治

──初期の頃は江戸川乱歩の世界観を取り入れていたことから、文芸ロックという言われ方もされ、不本意に思っていたと聞きました。

和嶋 王道のロックをやっているつもりでいましたからね。ブラックサバスにしても、バンド名が黒魔術とかそういう感じだったし、自分たちでもそういうものをキャッチーでかっこいいと思っていたんですよ。それを日本語でどうやるかっていうところで、江戸川乱歩だったんです。色モノ的なくくり方をされることも多かったですけど、僕らは王道をやっているという意識が常にありました。

鈴木 これしかないと思って始めましたからね。ハードロックにのせる日本語は、ああいう世界しかないと思ってやってきたんです。

──80年代、洋楽をルーツにするハードロックは英語で歌うバンドも多かったように思いますが、人間椅子は日本語のロックにこだわりました。

和嶋 英語で歌詞書いても、なんか説得力ないだろうという感じがしたんですよ。練習したりはしたんですけど。でも伝えたいことが全然書けないし、日本語でやる方がイメージに近いものが、やっぱり書ける。逆に当時は日本語でロックやってる人がそんなにいない気もして、自分たちでそれをやる意味があると思っていました。

──王道でありつつも、一風変わったバンドという印象を持つ人も多くいると思うのですが、他のバンドに対して自分たちが異質だと感じることはありますか?

和嶋 他の人たちに対して一線を置くつもりはなかったんですけど、結果的にそうなっていますよね。僕らはずっと異端な感じがどこかにありましたよ。似てるものが他にない感じ。サブカルっぽさも大きいんじゃないですか。今は和風のロックのグループもいっぱい出てきましたけど、僕らのサブカルな感じが好きな子も多いと思いますよ。自分たちも世代的にサブカルな要素を入れたかったんですよ。売れてる音楽は、やっぱり作られた感じがしてね。

──個性的なバンドがたくさん台頭した1989年のイカ天前後のバンドブームのなかでも、そういう異端な意識はあったんでしょうか。

和嶋 バンドブームの中でも、浮いているという感じは常にありましたよ。すごい不思議なバンドがいっぱいいて、サブカルな部分ではイカ天のバンドはみんな共通していたんですけどね。

──当時のバンドブームについてはどのように考えていたんですか?

和嶋 ブームで助かったと思っていましたよ。じゃなかったら、僕らもデビューできていなかっただろうし。でも、ブームの中でもみんなと同じことをしていたら消えていくのかなという感じはありました。

──そもそもイカ天に出ようと思ったきっかけは何だったのですか?

和嶋 単純に動員を増やそうと思ったんですよ。

鈴木 内輪しか来ていない感じだったからね。内輪でチケット売って、イベントでようやく数十人とか。

──人間椅子も当時はまだインディーズ。いきなりテレビに出られると決まって驚いたのでは?

和嶋 第1週と第2週の放送を見て、もしかしたら、失礼ながらも、これは出られるかもって思っていましたよ(笑)。出るって決まったときは嬉しかったです。これで少しは動員が増えるってね。

──番組に出演するとなって、何か工夫したことはあったんですか?

和嶋 イカ天って3分しか演奏できなかったですから、単純に曲を短くしました。ハードロックとかロック系の曲って5分以上が主流でしたからね。

鈴木 3分にしたら、意外といい曲になったというね(笑)。

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