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スポーツ界の常識は構造医学の非常識?『足指をまげるだけで腰痛は治る!』

51EZcNIqNXL.jpg『足指をまげるだけで腰痛は治る!』(ぴあ)

 夏嶋隆。名前を聞いてもピンとこない人たちがほとんどだろう。その一方で、サッカー界では、ちょっとした有名人である。元サッカー日本代表の中山雅史氏や服部年宏氏の引退会見では名前が挙がり、久保竜彦氏や家本政明氏はインタビューで「師匠のような存在」と語っている。ほかにも多くのJリーガー、さらには元某国代表のフィジカルトレーナーや著名な監督なども話を聞きにくる。

 トレーナー・動作解析のスペシャリストとしてサッカー界に大きく寄与している夏嶋氏だが、メディアに取り上げられることは皆無に等しかった。そんな夏嶋氏が監修した『足指をまげるだけで腰痛は治る!』がぴあより刊行された。著者である石井紘人氏に、なぜ、知る人ぞ知るトレーナーがメディアに登場することがなかったのか、理由を訊いた。

「“アクが強くて有名”ともいわれていますが、それよりも夏嶋先生の理論が、一つ先をいっているというか、温故知新というか、一般的なスポーツ界の理論とは違うんです。たとえば、『止まり方』の指導は特殊でしょうし、ウェイトトレーニングをあまり推奨しません。ほかにも『腰に慢性的な痛みがある』『膝を何度もケガをする』という選手がいたとします。そうなると、手術をして、リハビリというのが通常の流れです。ところが夏嶋先生は、それではまたケガをすると考える。癖からケガをする選手が多いからです。なので、本書にあるように、日常の癖を直します。すごくシンプルなんですが、実は一番難しい。正しい体の使い方を理解していないと、指導できませんから」

――スポーツ界で有名な方々が治療をされますね。

「夏嶋先生は、テーピングの技術がすごいんですよ。多くの選手たちは、テーピングに来ることが多くて、癖や動作を改善しに来ている人はまれです。というより、癖を直すのはすごく大変ですから。その時間のかかる改善を選手がやるかどうかといえば、やっぱりやらないですよね。なぜならば、先生のテーピングで一時的に動けるようになる。本書内の久保さんのインタビューが、選手の心境の変化を語っていて、すごく興味深いと思います。久保さんが言うように、知る人ぞ知る人なのは、改善をした選手たちが、改善にトライしそうな選手のみを紹介するからだと思います。今までの常識を捨てられないと、改善はされません」

――けれど、フィジカルトレーナーの方なら、夏嶋先生の理論を学べば武器になると思うのですが。

「これもすごく難しいんです。僕は昨年、足の骨にひびが入りまして。でも、翌々日にインタビューの仕事が入っていたので、休めない。夏嶋先生のところにも行けない。それで、近所の接骨院に行ったんです。そこの若い先生は、すごく優秀な方で、私の足を触って『○○におそらくヒビが入っていて、●●も打撲している』と、痛みについて的確な説明をしてくれました。そして、『では、テーピングで固定しましょう』となったのですが、そのテーピングがマニュアル通りなんです。分かりやすく言えば、足全体を固定するだけで、痛みの分析と合致していない。夏嶋先生のテーピングを見ているので、『あれ? このテーピングじゃ、痛みは軽減されないぞ』と思いました。それを見た時に、患者個々に合わせたテーピングの技術って、学校では教えられないのではないかなとも思いました。やっぱり、人間の体って一人一人違いますし、同じ人の右足と左足でも違う。僕の右足は正常ですけど、左足は微妙に変形しています。いろいろな整形外科で体を見てもらいましたが、足の変形を見抜ける人は少ない。そういう概念がありませんから」

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