世界で流行の「アイス・バケツ・チャレンジ」、音楽業界でも賛否両論
世界中で流行している「アイス・バケツ・チャレンジ」。難病であるALS(筋萎縮性側索硬化症)を支援するためのチャリティー活動で、知人などから指名を受けた人は、24時間以内に「100ドルを寄付する」か「氷水をかぶる様子をSNSなどで公開」のどちらかを選び、さらに自分も3人を指名するというものだ。
海外では、ブッシュ前大統領やマイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツらのほか、レディー・ガガ、ジャスティン・ティンバーレイク、ディスクロージャー、リリー・アレンなど多くのミュージシャンが挑戦。日本でも急速に広まっており、音楽業界では浜崎あゆみ、秋元康、AKB48・渡辺麻友などがチャレンジしている。
同活動に対しては「金持ちなら寄付しろ」「氷水をかぶってどうなるのか」「ただの売名じゃん」「病気のことを本当に理解しているのか?」など批判も多い。ニューヨーク在住のミュージシャン・大江千里も、自身のブログにおいて“否定するつもりはないが、ファッションとして行うのではなく、チャリティー活動の本質を理解した上でやるべきではないか”という趣旨の発言をし、話題となっている。
一方、乙武洋匡から指名を受けて氷水をかぶった上で寄付をした氣志團・綾小路翔は、活動について学んだ上で賛同したとコメント。ファンからは「売名だと思われたら残念」「辞める勇気を持ち、3人を指名しないでほしかった」などの意見も届いたが、「皆さんそれぞれが、しっかりと考えた上で選択していますよ。ただセレブリティが悪ノリでやっていると思うのは大間違いです」と反論。自分で決めたことだと強調した。チャリティーとミュージシャンの関係について、音楽業界関係者はこう話す。
「慈善活動に意欲的なミュージシャンは昔から多く、代表的なものには1984年にエチオピアの飢餓をきっかけに発足したチャリティープロジェクト『バンド・エイド』やアフリカの飢餓を救うため85年に制作された『ウィ・アー・ザ・ワールド』が挙げられます。チャリティーブームを巻き起こすほどの影響力があった一方で、当時から『偽善だ』『音楽を政治利用すべきでない』などの批判も多かった。今回も同じ議論が繰り返されている印象ですが、“3人を指名”“SNSで拡散”というチェーンメール的な要素が加わっていることから、反発するミュージシャンは今後増えていくかもしれないですね」
賛否両論の同活動だが、22日現在では、ももいろクローバーZ、VERBAL、ファンキー加藤らが指名を受けており、音楽業界でもまだまだ広まっていきそうだ。
(文=久保カズヨシ)
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