「楽しいぞ!」元ももクロ・早見あかりが『アゲイン!!』する道
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「笑止!」
『アゲイン!!』(TBS系)のヒロイン・宇佐美良子を演じる早見あかりは、学ラン姿でそう凛々しく言い放った。
ドラマ『アゲイン!!』の原作は、『モテキ』の久保ミツロウが2011年から「週刊少年マガジン」(講談社)で連載していた同名マンガ。高校3年間を自堕落に過ごし、怖い風貌も災いして、友達がひとりもいない今村金一郎(ジャニーズWEST・藤井流星)が主人公だ。今村は卒業式の日に、もうひとりのヒロイン・藤枝暁(岡野真也)と階段から転がり落ちてしまい、3年前の入学式の日にタイムスリップする。そこで、今村は女応援団長に惹かれて、応援団に入団。高校生活を“アゲイン”するという物語である(ちなみに、応援団と敵対するチアリーダー部部長の安部珠貴を元モーニング娘。の久住小春が演じているため、元ももクロの早見vs元モー娘。の久住という構図も見どころのひとつだ)。
女応援団長・宇佐美は、早見あかりをモデルに当て描きしたものだという。
「2011年に早見あかりさんがももクロを脱退すると知った時、女優を目指す彼女を何かしらか応援したい! とファン心で思いました。ちょうど『アゲイン!!』連載前だった私は、早見さんが演じてるような気持ちで宇佐美団長というヒロインを描いたんです」(『アゲイン!!』公式HP)
そんな久保の思いがかない、宇佐美役に早見が抜擢されたのだ。
いまや押しも押されもせぬトップアイドルグループとなった、ももいろクローバーZ。「Z」が付く前のももクロに、早見がいたことを知らない人もいるかもしれない。「あかりん」と呼ばれていた彼女は、ももクロのサブリーダーでありながら、メンバー、ファン、スタッフの誰もが認める実質的なリーダーだった。
早見がももクロの脱退を発表したのは、2011年1月。約1カ月前に日本青年館の初単独ホールライブを大成功させたばかりで、ももクロはまさに“大ブレーク前夜”の様相を呈していた頃だった。「意味分かんないんだけど」と泣き崩れるメンバーを前に「ずっとずっと考えたんだけど……やっぱり私は、ももいろクローバーを4月10日に脱退します」と宣言した。
それまでも、ももいろクロは何度もメンバーが入れ替わってきた。08年5月17日の結成時のメンバーは6人。この中で現在のメンバーは、初代リーダーの高城れに、現リーダーの百田夏菜子、そして玉井詩織の3人だけだ。その後も数名が入れ替わりながら、同年11月に早見、佐々木彩夏らが加入して9人に。その中から4人が脱退。最後に09年7月、有安杏果が加入し、6人となった。そして、11年4月10日早見が脱退。「ももいろクローバー」は「ももいろクローバーZ」に改名した。さまざまなメンバー変更を行っても変えなかったグループ名を早見脱退の時だけ変えたことが、ももクロにとってどれだけ大きい出来事だったのかを物語っている。
ももクロが所属するスターダストは、女優を多く抱える事務所。当時はアイドルなんていなかった。当然、早見の目標の中にアイドルという選択肢はなかったのだ。ももクロのプロジェクトが立ち上がったのは、07年末ごろ。新人を活性化させレッスンの一環とする意識のほうが大きかったという。いわば、女優として売り出すメンバーから外れた子たちが集められたのだ。露出機会が与えられない女優の卵を飼い殺しにするくらいなら、アイドルとしてでも人前で表現する経験を積ませよう――。そんな発想だった。
早見はももクロの実質的リーダーとして誰よりもももクロのことを考え、愛していたが、同時に自分が歌うこと、踊ること、何より「アイドル」として振る舞うことへの違和感が日に日に大きくなっていった。また、ファンの多くも、ももクロに彼女は不可欠だと思いつつも、美人で精神的にも大人で強そうに見える完成された早見よりも、未熟で未完成なほかのメンバーを強く推していた。
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