トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 沖方丁が二次創作を全面解禁
ヲタ系ITライターと新米編集のネットウォッチ!

人気作家・沖方丁が自作の二次創作を全面解禁「ファン活動と海賊版の区切りを明確に」

ubukata.jpg沖方丁ブログより

■小説家・冲方丁が、自身の作品に関する二次創作の全面解禁を提案

Dr.T ここのところ、同人作品、すなわち二次創作に関する話題がいくつかネットで話題になっていたね。特に興味深かったのは、小説家である冲方丁氏がブログで発表した提案(http://towubukata.blogspot.jp/2014/07/blog-post_17.html)かな。冲方氏は『天地明察』(角川書店)や『マルドゥック・スクランブル』(ハヤカワ文庫)の作者で、最近ではアニメ映画『攻殻機動隊 ARISE』の脚本家としても知られているね。

アキ 二次創作に関する話題は、毎年すごい額を同人に突っ込んでいる私としても気になるところです。

Dr.T なんか急に真面目なテンションになったな……。とにかく、冲方氏が提案しているのは、自身の作品の二次創作を、一定のルールのもとで全面解禁するということだよ。ブログでは「可能な限り契約書の発行といった法務をなくし、利用規約に基づく活動を全て自動的に許諾するかたちをとる」と記述されてる。

アキ これって、けっこう画期的なことですよね?

Dr.T ここまで踏み込んで全面解禁を表明するのは、ちょっとどころじゃなく画期的なことだと思うよ。詳しい内容は冲方氏のブログを読んでほしいんだけど、二次創作を認めるための“一定のルール”に関しても、かなり同人業界に歩み寄ったものになっている。

アキ たとえば?

Dr.T 「許諾する一次創作作品を限定し、所定のサイトもしくは発行物において発表」することや、「二次創作作品の冒頭(表紙、紹介文第一行、冒頭部分、その他最初に目にする場所)に、『これは○○(許諾された一次作品タイトル・発行・著作者)の二次創作です』と、一次創作作品との関連について、誰もが見て取れるかたちで明記する」ことなどが挙げられているね。このあたりは、真っ当に同人活動をしている人なら今まで通りでまったく問題はない項目だよね。また、一次創作者への許諾の対価は「一次創作作品のソースの拡散」で、それ以外の対価は要求されないということを明言した点もすごい。これだけ柔軟に対処した例は今までになかった気がするね。たいていは玉虫色というか、企業は黙認するのが通例だったから。

アキ 二次創作作品で新人賞に応募するのもOKって書いてありますね。それって、すごいことですよね……。逆にこれだけ理想論だと不安になるんですけど、何か穴はないんですか?

Dr.T もちろん、課題は今後いろいろと出てくると思うよ。ただ、今の世の中に照らし合わせたとき、冲方さんの意見が一番バランスのとれたものなんじゃないかと思う。とはいえ、これを表明できるのは冲方さんだからこそなんだけどね。大手出版社がこの提案に賛成するのは難しいだろうね。

アキ コミケにも企業ブースが並ぶ時代なんですけどねー……。

Dr.T この問題は難しいね。
(構成=Dr.T)

●Dr.T
24時間ネットをウォッチするヲタ系ITライター。チキンなのでネットの揉め事には参加しない。好きな食べ物はガリ。
●アキ
ネットのコアなニュースに疎い新米編集者。よく天然と言われるが自覚はない。ちょっぴり辛口で、BLが好きな腐女子。

最終更新:2014/07/25 18:22
123
ページ上部へ戻る

配給映画