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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.280

はみだし警部マサラ系! インド映画界きっての暴れん坊が銃を手に大乱舞『ダバング 大胆不敵』

Dabangg03.jpgアル中の父親の面倒を看る市井の娘・ラッジョー(ソーナークシー・シンハー)と恋に陥るパンデー。彼女の優しさがバッドポリスを更生させる?

 経済成長の著しいインドだが、その反面、社会格差も大きな問題となっている。純粋な娯楽作品である『ダバング』の中にも、パンデーがヒロインの父親に「教養がある高カーストの警官だ。何が足りない?」と高飛車な態度で結婚を認めるよう迫る場面や、弟のマッキーは恋人の実家がビンボー教師で持参金が用意できないために結婚を諦める……といったインドの社会問題がチラリと覗く。

大向「最近のインド映画は海外ロケ作品が非常に増えています。『ダバング』ではパンデーがドバイへ新婚旅行に行くシーンがありますし、私が『ダバング』と一緒に購入した『マダム・イン・ニューヨーク』では米国に初めて入国したインド人主婦のカルチャーショックぶりが鮮やかに描かれています。インドの低所得者層の人たちにとって、海外旅行はまず経験できないものであり、そんな彼らにとっての数少ない娯楽が映画なんです。華やかなボリウッド映画で主人公たちが自由に恋愛を楽しんで人生を謳歌している姿は、多くのインド人にとって憧れの世界でもあるんです」

 客席の照明が消え、上映が始まれば、そこは豪華絢爛さを極めた夢の世界。ビンボー人も金持ちも、宗教も民族も国籍も関係なし。心は肉体を離れ、スクリーンの中の映画スターや美女たちと一緒になって歌い踊る。これぞ、インド映画ならではのカタルシスだろう。この夏は『ダバング』の他にも、恋愛大冒険ムービー『あなたがいてこそ』、コメディ要素が強い裏社会アクションもの『バードシャー テルグの皇帝』、『フォレスト・ガンプ/一期一会』(94)をミュージカルにしたような感動作『バルフィー! 人生に唄えば』、ムンバイでの都市生活を主婦目線で描いた『めぐり逢わせのお弁当』など近年にないインド映画ラッシュとなっている。インド亜大陸に渦巻く幸も不幸も、すべてをスパイスにして豪快に仕上げたインド映画の数々をご堪能されたし!
(文=長野辰次)

Dabangg04.jpg

『ダバング 大胆不敵』
監督/アビナウ・スィン・カシュヤップ 出演/サルマーン・カーン、アルバーズ・カーン、ソーナークシー・シンハー、ソーヌー・スード、ヴィノード・カンナー、ディンプル・カパーディヤー、アヌパル・ケール、マラーイカー・アローラー・カーン 提供/ビオスコープ 配給/太秦 7月26日(土)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋にてロードショー ※シネマート新宿では7月26日の10:45、18:40、8月1日(金)の21:00の回はそれぞれマサラ上映を予定
(c)Eros International Ltd.
http://www.u-picc.com/Dabangg

最終更新:2014/07/24 21:00
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