「ゾンビが頭を撃たれたら死ぬ、という設定には納得いかない!」ギャグ、エロ、童貞……異色の“相原ゾンビ”ができるまで
#映画 #インタビュー
「心配だったのはやっぱりギャグの部分で、ヘタな監督がやると、ファンファンファン~みたいな効果音を入れたりして、すごくあざとくなっちゃうんですよ。その点、鶴田監督はホラー畑の人ですからね。ホラーもギャグもいかに見ている人のことを裏切るかっていうことに非常に繊細な神経を使うんで、ギャグの場面もセンスよく、あざとくないバランスでやってもらえました」
――原作でも女ゾンビに童貞たちが発情する……みたいなシーンがありますが、「それが実写になるとこんな感じか!」と実感できました。
「エロに関してはまあ、R指定なんかの問題もあるんでしょうけど、控えめでしたね。ボク的には、もっとエロい場面があってもいいのかなと思いましたけど(笑)。漫画では、エロをズバリ描いてますからね」
――実写化された登場人物のイメージはどうでしたか? なぎなたを持った女子高生の戸田なんかは、かなりそれっぽかったですけど。
「映画版では、なぜかアイパッチをしてるのが謎でしたけど(笑)。戸田に関しては漫画でも悩んだキャラクターで、言葉遣いとかもすごく男っぽくて『こんな女子高生いるのかな~?』って思いつつ描いている部分もあったんですよ。映画ではさらに格好良く、クールにキャラクター化しちゃっていて、これくらい振り切って描いちゃってもいいのかなって思いましたね」
――映画が、逆に今後の原作に反映されるなんとこともあるんでしょうか?
「どうですかね~? でも、漫画を描く上でなぎなたを格好良く振り回す絵って難しいんで、映画で格好良く振り回している姿は参考にして描きたいなと。これだったらマネして描いても……仮にトレースしたとしても怒られないでしょう!」
――相原先生もゾンビとして出演されてますが、ゾンビ演技はどうでしたか?
「ゾンビ役で出たいな……とはちょっと思っていたんで、喜んでやらせてもらいました。もともとゾンビ好きなんで、ゾンビ映画の一員として参加できたのはうれしかったですね! しかも、その他大勢的なゾンビかと思っていたら、試写を見たら、ちゃんと自分だって確認できるくらいデカく映ってたんで!」
――まず今回の映画が公開されて、その後にDVD-BOXが発売されるそうですね。
「全6巻という構成で、映画版に当たる部分は1、2巻に収録されていて、3~5巻はそのサイドストーリーが。6巻にはその後のドキュメンタリーみたいな内容が収録されています。映画だけでは『ちょっとどういうことなのかな?』と思うような部分が、DVD-BOXを全部見ると補完されて、世界観がハッキリするという作りになっているみたいですよ。ボクもDVD-BOX用に6ページの漫画を描き下ろしています」
――最後に、ロメロゾンビをはじめさまざまなゾンビ映画がありますけど、今回の『Z~ゼット~果てなき希望』は、どんなゾンビ映画ですか?
「意外と正統派なゾンビ映画だなっていう感じがします。日本だと銃が使えないということもあり、ちょっと変化球なゾンビ映画が多い気がするんですけど、今回の映画ではロメロゾンビ的な感じで登場人物たちが籠城したりしていて、すごく原点回帰的な雰囲気があって楽しめると思います!」
(取材・文=北村ヂン)
●『Z~ゼット~果てなき希望』
監督:鶴田法男 脚本:酒巻浩史、鶴田法男
出演:川本まゆ、木嶋のりこ、田中美晴
原作:相原コージ『Z』(日本文芸社 別冊漫画ゴラク刊)
2014年/日本/カラー 制作プロダクション:Takujiクリエイト 製作・配給:エスピーオー
7月26日(土)より、シネマート六本木、シネマート新宿ほか全国公開
公式サイト:<http://www.cinemart.co.jp/z/>
(C)2014 相原コージ/日本文芸社・エスピーオー
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