サッカー日本代表は小島瑠璃子を見習うべき!『水曜日のダウンタウン2時間スペシャル』(7月9日放送)を徹底検証!
#小島瑠璃子 #タレント解体新書
そしてこれは、バラエティ番組の本質でもある。くだらないことや意味のないことをただやればバラエティ番組ができるというわけではない。そうではなく、くだらないことや意味のないことを、大の大人が大勢集まって真剣にやるからこそ、バラエティ番組は見るに堪える馬鹿馬鹿しさを持つことができるのだ。人に言わせれば茶番かもしれない。だが茶番には、良い茶番と悪い茶番が確かにある。『水曜日のダウンタウン』という、現在の地上波の中でも最も誠実にど真ん中のバラエティを目指している番組だからこそ、小島瑠璃子というタレントのバラエティ的な本質が表出したのだといえるだろう。
小島瑠璃子は自分の手柄を立てることよりも、バラエティの精神に対して忠実に、チームとしての番組の面白さを結果として優先した。彼女はチームメイトを確かに信じていたのだ。日本代表がワールドカップブラジル大会でできなかった、しかし今後も目指すべきサッカーのヒントがここにあるとは言えないだろうか? いいタレントを集めれば勝てるわけではないというのは、サッカーもバラエティも同じなのである。
【検証結果】
もちろん誰もが、小島瑠璃子になれるわけではないだろう。しかし彼女の振る舞いや、そこから透けて見える生き方から何かを学ぶことはできる。ほかの出演者や番組スタッフ、あるいはマネジャーまで、自分の周囲にいる人たちの能力と努力を尊敬し、人を信じるということ。少なくともそこに関しては彼女の能力が高いというわけではなく、人生において何を優先すべきかという話でしかない。バラエティ番組における小島瑠璃子は、誠実に生きるということの単純な素晴らしさを、我々視聴者に日々教えてくれているのだ。
(文=相沢直)
●あいざわ・すなお
1980年生まれ。構成作家、ライター。活動歴は構成作家として『テレバイダー』(TOKYO MX)、『モンキーパーマ』(tvkほか)、「水道橋博士のメルマ旬報『みっつ数えろ』連載」など。プロデューサーとして『ホワイトボードTV』『バカリズム THE MOVIE』(TOKYO MX)など。
Twitterアカウントは @aizawaaa
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