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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 本当のヒロインはミッチー?
テレビウォッチャー・てれびのスキマの「テレビ裏ガイド」第61回

本当のヒロインは及川光博? キスマイ玉森主演『信長のシェフ』のケレン味

 信長の正室・濃姫を不気味に演じるのは斉藤由貴。及川と斉藤は『吾輩は主婦である』(TBS系)に続いての夫婦役だ。松永久秀には笹野高史が扮し、久々に悪い顔をのぞかせる。石山本願寺の僧・顕如を演じるのは市川猿之助。妖しくエロく、いかがわしい。そして、今期から登場した武田信玄を豪快に演じるのは高嶋政伸。

 すがすがしいほど漫画チックで、デフォルメされた戦国武将たちだが、そんな濃厚なメンツの中でも、頭ひとつ飛び抜けて圧倒的にキャラが立っているのがミッチー信長なのである。

 ゴールデンに昇格して増えたであろう制作費の大半を注ぎ込んだのではないかと錯覚してしまうような、豪華で華麗でキラッキラした信長の衣装。この作品において、信長はある意味で“ヒロイン”なのだ。物語上では、周囲は信長に翻弄されながらも、彼を喜ばせようと必死に振る舞う。信長は、無条件に“守るべき存在”になっているのだ。そのため、視聴者も彼の仕草から表情まで、一挙手一投足に釘付けになる。信長もそれを演じる及川も、愛さずにはいられない存在となっているのだ。

 ミッチーのキャラクターを最大限生かすようにケレン味たっぷりに“料理”した『信長のシェフ』。文字どおり「美味」な「おもしろ時代劇」なのだ。
(文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>)

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最終更新:2019/11/29 17:56
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