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ハリウッドのヒットメーカー、ダグ・ライマン監督インタビュー

これってトム・クルーズ版『時をかける少女』!? 日本のライトノベルが製作費178億円の超大作に

allyouneed_02.jpgいつものように撮影現場でカメラを回すダグ・ライマン監督。メジャー大作でも、気分はインディペンデント監督なのだ。

──『ゴジラ』など過去のヒット作のリメイクやアメコミの映画化などが最近のハリウッドでは顕著ですが、オリジナリティーのある企画があまりに少ないんじゃないですか?

ダグ 知名度のあるリメイクものや人気アメコミの映画化は、実際問題としてお客さんが入っているからね。お客さんが集まる企画を映画にするというのはメジャースタジオの昔からの変わらないスタンスだよ。でも、確かにもっともっと新鮮みのあるオリジナル作品に挑むべきだろうね。

■映画はセカンドチャンスが許される夢の世界

──今回の『オール・ユー・ニード・イズ・キル』は日本のライトノベルが原作。パワードスーツもいっぱい出てきます。トム・クルーズは大の親日家で有名ですが、ダグ監督の目には日本のポップカルチャーはどのように映っているんですか?

ダグ 日本のポップカルチャーは僕も大好きだよ。『オール・ユー・ニード・イズ・キル』のようなユニークな物語がいっぱいあると感じている。アニメ版『時をかける少女』(06)もそのひとつだよね。今回は『時をかける少女』をはじめ、日本のポップカルチャーの影響をかなり強く受けながら作ったんだ。それに日本のSFファンが、ハリウッド映画にはパワードスーツが活躍する実写作品があまりないことを不満に思っていることも充分理解しているつもりだよ(笑)。だから今回の作品は、日本のポップカルチャーと共に育った日本の若者たちがハリウッドに望んでいるものを映画にしたんだ。

──タイムループしている限りは主人公のケイジは何度でも生き返り、またヒロインに逢うことができる。でも、ケイジは最終的にはタイムループの輪から脱することを決意する。これは「慣れ親しんだ現状と決別し、新しい環境に挑もう」というダグ監督からのメッセージが込められている?

ダグ そうだね。原作は桜坂洋さんが書いたものだけれども、これは僕自身のとてもパーソナルな物語でもあるんだ。もちろん、僕にはケイジみたいなタイムループする特殊能力はない。けれども、一度撮影したシーンが気に入らなければ、気に入るテイクが撮れるまで何度も繰り返す。それでも、まだ気に入らなければ編集段階で手を加える。そうやって、自分が納得できる作品を作り上げていくことができる。いわば、映画の世界はセカンドチャンスが許される夢の世界なんだ。まぁ、それは作品の世界の中だけであって、撮影所を出ていけば実際の人生は一回限りであることを思い知るわけなんだけどね(笑)。でも、新しい作品に取り掛かる度に「今までにない最高の作品にしよう」と思っている。そんな僕自身の姿が投影されていると思うよ。

──最後にもうひとつ。エミリー・ブラントが基地内で汗だくになってプッシュアップしている姿がめちゃめちゃ印象に残ります。あの姿はダグ監督の会心のショットではないでしょうか?

ダグ 僕は強くて美しい女性が大好き(笑)。そんな僕のこだわりが出ているショットだね。実は、あのシーンは最初からあったものじゃなかった。撮影していたロンドンで、みんなと一緒に和食レストランで食事をしたんだ。そのとき、たまたまヨガの話題になったんだけど、エミリーはレストランの中で突然ヨガのポーズを実演し始めたんだ(笑)。エミリーはヨガに精通していて、びっくりするようなヨガのポーズをいろいろと披露してくれた。とても優雅でパワーが漲ったポージングだったんだ。その姿は、すごくオリエンタル風だったし、日本の文化に通じるものを感じたんだ。それで彼女がプッシュアップしているポージングを劇中にも取り入れたというわけさ。ストーリー以外にも様々なジャパニーズテイストを散りばめているから、そこらへんもじっくり楽しんでほしいな。

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