「特定秘密保護法は憲法違反だ!」フリーランス43名による違憲訴訟始まる
「特定秘密保護法は憲法違反につき無効」
法案のころから何かと問題、いや危険性が指摘されていた特定秘密保護法。各所から疑問や反対の声が上がっていたものの、昨年12月6日、自民党と公明党の強行採決によって成立してしまった。
これに対して、フリーのジャーナリストたちが「異議あり!」と、法廷の場にこの問題を持ち込んだ。
特定秘密保護法は、憲法が認めるいくつもの国民の権利を侵害しており、かつ、平和主義や国民主権といった憲法の基本原理を否定するものであるとして、ジャーナリストやカメラマンなどフリーランス43名が国を相手取り、違憲・無効確認と施行差し止め、さらに精神的苦痛に対する慰謝料として1人当たり10万円、合計430万円を求める民事訴訟を東京地裁に起こしたものである。
この「秘密保護法違憲訴訟」の第1回口頭弁論が、6月25日午前11時から、東京地裁803号法廷で開かれた。原告43名のうち30名が出廷。ジャーナリスト寺澤有氏ほか4名が意見陳述を行った。傍聴希望者が多数だったため抽選が行われ、約70人の希望者に対して抽選で40数人が傍聴券を獲得。傍聴席は満席の状態となった。
弁論は30分で終了。その後、11時30分過ぎから弁護士会館5階にある502号室で報告集会が開かれた。寺澤氏のあいさつを皮切りに、弁護士の山下幸夫氏から訴訟の概要を説明。続いて、意見陳述を行った4人のジャーナリストからその内容が述べられた。
まず於保清美氏は、2011年6月に佐賀県で起きた九州電力による「やらせメール事件」を取り上げ、秘密保護法施行によって内部告発や自由な報道が萎縮してしまう可能性を指摘。次に丸田潔氏は、自らの親族が戦前・戦時中の言論や思想などの統制を受けたことに対する疑問と批判を踏まえ、秘密保護法施行が「国家の存亡にかかわる重大な問題」になると主張した。
次に安田浩一氏は、同法第12条に示された適性評価に注目し、特定秘密を取り扱うに当たり、当該人物本人の健康状態や嗜好、借金の有無や返済状況、その他の生活や個人的状況、さらに国籍に至るまでとことん調べ上げられ、さらに当該人物だけでなく、家族や親族、職場の関係者、友人などにも調査の手が及ぶ点に着目し、こうしたことは監督官庁の権限肥大化につながる可能性があることはもちろん、個人の生活や経歴、嗜好や思想信条に至るまで調べ上げることを認めてしまっている点を指摘し、「これは明らかに、社会に差別と分断を持ち込むものであって、絶対に容認できるものではない」と怒り込めて主張した。
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