第二の尼崎連続不審死事件か――謎を呼ぶ、筑後市連続失踪事件
#出版 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
福岡県・筑後市で起きた連続変死・失踪事件はその事件の異様さもさることながら、美人妻がなぜこのような事件を引き起こしたのかに関心が集まっている。
この事件はいち早くポストが「筑後連続失踪事件 福岡県警が半年間マークする『美形夫婦』謎の履歴書」(5月2日号)と題して報じていたもの。
妻の中尾知佐容疑者(45)は、瀬戸内海に浮かぶ人口3,000人ほどの離島で、9人の兄弟姉妹の長女として生まれた。
貧しい中、8人の弟や妹の面倒を見ていた彼女だが、高校を卒業すると島から離れていった。夫は伸也容疑者(47)。筑後市でリサイクルショップを経営する夫婦が福岡県警に逮捕されたのは、6月16日のことだ。
逮捕容疑は知人のキャッシュカードを使って現金を不正に引き出した窃盗容疑だが、その逮捕は夫婦周辺で起きていた連続失踪騒動を解明するための「別件逮捕」であった。
リサイクルショップの元従業員・日高崇さん(当時22)の骨の一部が、伸也容疑者の実家の庭から発見された。伸也容疑者は「妻に言われて暴行して埋めた」と供述しているという。捜査関係者は、彼女こそ事件のキーマンと見ているようだ。
夫婦はリサイクルショップを開くと、複数の従業員を住み込みで働かせた。暴力も常態化し、実態は軟禁に近かった。それだけではなく、従業員に借金を強要してカネを上納させたり、従業員の親に「息子が仕事でミスをして損害を与えた」などと言いがかりをつけ、数百万円を支払わせたことも判明しているという。
亡くなった日高さんの両親も息子と音信不通になった後、店の売上金を盗まれたと夫婦に詰め寄られ、300万円以上を支払っていた。
知佐容疑者が伸也容疑者と出会ったのは、彼女が働いていた福岡・中洲のクラブだったとか、筑後市にあるスナックだったなどとさまざまな証言があるようだ。
「シンちゃん(伸也容疑者)はチーちゃんに絶対に逆らえんと。チーちゃんって口は立つし頭がキレるけん、男相手でも平気で口喧嘩し、相手に逃げ道を与えずトコトン追い込む。ある時、シンちゃんが『(知佐は)怒ると手も出るし、足も出るとよ』と話しとった。喧嘩になるとシーちゃんから殴られたり蹴られたりしとったみたい。そやけんシンちゃんはいつもチーちゃんの顔色を窺っとるようなところがあった」(知佐容疑者のママ友)
ポストは、そのやり方は尼崎連続不審死事件の角田美代子ファミリーを彷彿とさせると書いている。警察当局が注目しているのは、日高さんだけではない。
「日高さん、Kさん、そして知佐容疑者の妹の夫Hさんとその子供。伸也容疑者が『庭に埋めた』と供述した複数の遺体はこの4人とみられている。我々が最も注目しているのは、Hさんとその息子だ」
知佐容疑者は夫は違って、事件の話になると「何も知りません」と否認を貫いているという。尼崎の事件のように主犯は女性のようだが、なかなか手強そうである。
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