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勇気と知恵とチームワークで難関に挑む! 佐々木蔵之介主演『超高速!参勤交代』

sannkin.jpg(C)2014「超高速!参勤交代」製作委員会

 今週取り上げる最新映画は、江戸時代の過酷な参勤交代に、古代ギリシャの命運を賭けた戦いと、史実を踏まえつつ大胆な創作で現代の観客を楽しませてくれる歴史活劇2作品。ジャンルも場所も大きく異なる2本だが、ほぼ“無理ゲー”な状況に置かれた少数の仲間たちが、勇気と知恵とチームワークで難関に挑むという共通点もある。


 『超高速!参勤交代』(6月21日公開)は、佐々木蔵之介主演で、江戸幕府から無理難題を突き付けられた弱小藩の奮闘を描く時代劇コメディ。1万5000石の弱小藩である湯長谷藩(現在の福島県いわき市)は、腹黒い幕府老中・松平信祝(陣内孝則)から、通常なら8日かかる江戸までの行程をわずか4日間で参勤するよう命じられる。湯長谷藩主の内藤政醇(佐々木)は、知恵者の家老(西村雅彦)とともに奇想天外な作戦を練って出発するが、妨害をたくらむ松平も刺客を放っていた。

 脚本コンクールの城戸賞で2011年に史上初の審査員オール満点を得た、土橋章宏による傑作シナリオを、『ゲゲゲの鬼太郎』『鴨川ホルモー』の本木克英監督が映画化。次から次へと直面する難局を、家老の知恵と家臣ら各自の得意技で一つひとつ乗り切るさまが痛快だ。時代劇ならではのチャンバラアクションも、ワイヤーやVFXを駆使して、従来の時代劇とは微妙にテイストの異なる活劇に。よく練られたストーリーとあふれるユーモアのおかげで、歴史マニアや時代劇ファンでなくとも間違いなく楽しめる快作だ。

 『300 スリーハンドレッド 帝国の進撃』(公開中、2D/3D上映、R15+)は、100万人のペルシア帝国軍にわずか300人で立ち向かったスパルタ兵士たちを描いた『300 スリーハンドレッド』の続編。紀元前480年、多数の都市国家で構成されるギリシャを支配しようと、ペルシャ帝国の神王クセルクセスが大艦隊をエーゲ海に送る。アテナイの若きリーダー、テミストクレス将軍(サリバン・ステイプルトン)は、ギリシャの自由と平和を守る戦いを同胞たちに呼びかけ、3倍の軍勢を擁するペルシャ軍と対峙する。ギリシャに復讐を誓いペルシャ海軍を指揮する女傑アルテミシア(エバ・グリーン)は、テミストクレスを味方に引き入れようと画策するも失敗。怒りと復讐心を募らせ、ギリシャを壊滅すべく進撃を開始する。

 フランク・ミラーのグラフィックノベルを原作とし、CMディレクター出身の新鋭ノーム・ムロが映像化。前作を監督して世界中の映画ファンに一躍名を知らしめたザック・スナイダーは今回、製作・脚本にまわっている。剣、盾、槍と肉弾戦のアクションを、再生スピードに緩急つけてよりダイナミックに演出するテクニックは前作を踏襲しており、飛び散る血しぶきが3Dで一層リアルに。エバ・グリーンは、意外なほどサマになっている剣さばき、攻撃的なメイクラブの場面など、まさに渾身の演技で観客を魅了。大胆なフルヌードとエロスで話題を集めたデビュー作『ドリーマーズ』以来、脱ぎっぷりの良さと美しさも変わらない。前作に比べてカタルシスに欠け、映像表現も見慣れてしまったせいかインパクトが若干足りないものの、おそらく第3作でギリシャとペルシャ神王との最終決戦が控えているはず。壮大なスケールの3部作の中継ぎという意味では、やはり見逃せない1本といえるだろう。
(文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉)

『超高速!参勤交代』作品情報
<http://eiga.com/movie/79398/>

『300 スリーハンドレッド 帝国の進撃』作品情報
<http://eiga.com/movie/77929/>

最終更新:2014/06/20 21:00
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