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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > 前田日明「警察は地下格を潰す気」
女子選手も初参加!『THE OUTSIDER』6.22大会直前インタビュー

前田日明激白!「警察は地下格闘技を潰す方針」7年目の苦悩と不変の理念

maedaakira06918_.jpg選手からの信頼も厚い

■アウトサイダーにはヤクザのヤの字もない

──今回の事件を踏まえて、地下格闘技とアウトサイダーの違いをあらためて教えてください。

前田 地下格(闘技)は結局、金儲けじゃないですか。リングサイド、いくらですか? 3万とか5万円とかで売ってるでしょう? アウトサイダーは1万円ですよ。地下格で賞金、いったいいくらですか? 出ないでしょう。そのくせ彼らは選手たちに切符を売るノルマを課して、売りに行っても売れないから暴れたりする。うち、そんなことしませんよ。リングスのほうから何枚売ってくれとか一度もない。あり得ない。

──その他、違うポイントは?

前田 少なくとも、人から感謝されることはあっても、非難されることはないですね。過去にいろんな親御さんから感謝の手紙をもらったこともありますし。それに、地下格はほぼ例外なくヤクザとつながってるけど、うちはそういうつながりは一切ない。なんなら自分の身辺調査をすればいいですよ。ヤクザのヤの字も出てきませんから。うち、選手に弁護士もいるんですよ。弁護士が、黒い大会に出るわけがないでしょう。

──アウトサイダーで名を売ったあと、各分野で活躍している選手も多いですね。

前田 黒石(高大)は俳優として頑張って前田敦子のPVにまで出るようになったし、武井(勇輝)なんかはアパレルの世界で成功してる。そういう選手が、地下格にいますか? 選手に正当な道を歩ませるような大会が、ありますか? ないでしょ。せいぜいヤクザの言いなりになって暴力振るって、逮捕される子が出るぐらいのもんでしょう。

──乱入事件の実行犯らも続々と逮捕されていますね。

前田 警察は地下格を全部潰していく方針らしいですね。うちでも使ってるあるレフェリーは、いろんな地下格でもレフェリーをやってたらしいんですけど、先日とうとう彼にも警察から指導が入りました。「もし今後も地下格でレフェリーをするなら、暴力団と利益を共有する密接交際者と認定する」と。そうなると、銀行取引や保険取引が一切できなくなるんですよ。

──警察はそこまで来てますか。

前田 来てます。

──そんな中、アウトサイダーにもゲスト来場し、前田さんとも親しかった出版プロデューサーの高須基仁さんが、地下格闘技の興行に乗り出すという話があります。

前田 あれも結局、警察に潰された連中が、自分たちでは興行を打てないから、高須さんに目を付けて、担ぎ上げただけのことでしょう。高須さん、わかってないんですよ。一度そういう(密接交際者の)認定を受けちゃうと、彼が経営するモッツ出版も終わりますよ。本当にヤバい。軽い気持ちでやると、えげつないことになりますよ。それぐらい暴力団排除条例はハンパじゃないです。それをみんな、わかってない。わかってるのはヤクザだけです。だからヤクザは半グレの子たちを手先として使うんです。そこへノコノコ、高須さんのようなノリのいいおひとよしが来たら、まさに飛んで火に入る夏の虫ですよ。

──高須さんの主催大会は8月に開催予定らしいです。

前田 やったところで大赤字ですよ。そのへんのガキンチョの集まりに、誰が3万や5万出します? 1万円でさえ、チケットを売るのは大変なのに。アウトサイダーがこうして何年も続いてるのは、利益を度外視してやってるからですよ。金がなくなれば、身銭を切ってるからですよ。

──そうまでして続けたいと思う動機は?

前田 動機もクソもないですよ。アウトサイダーをやるまでは、平成の満ち足りた世の中で何をグレることがあるんだろうと不思議だったんですけど、よくよく話を聞くと、本当に不幸な連中も大勢いるんですよね。例えば宮永(一輝)っていう選手は、生まれてこの方、父親の顔も母親の顔も知らない。そのくせ彼は「若いときは両親を恨んだが、今は元気で幸せでいてほしい」なんてことを、リング上でスピーチしたんですよ。彼は以前、実家らしき場所を探して訪ねていったら門前払いされたこともあるのに、そういうけなげなことを言う。これは不幸の闇が深いな、と。なんとかしてやんないといけないな、と。アウトサイダーを通じて、そういう子たちに寄り添ってやりたいんです。

──アウトサイダーの出場者に話を聞くと、前田さんのことを「心の父」と思っている選手が多いです。

前田 確かに、親に反抗するみたいな感じで突っ張ってくる子が多いですよね(笑)。彼らと付き合って、ひとつわかったことがあってね。子どもを育てるときに一番大事なことは何かというと、その子の反抗期に親が真摯に受け止めてあげることなんですよ。あとは、幼児期のスキンシップ。幼児期の深い傷は、人格的なトラウマになる。そして反抗期の受け止め方を間違えると、その子はもう価値観がひっくり返ってしまって、あらぬ方向に行ってしまうんですよね。

──具体的に、どう受け止めるべきだと考えますか?

前田 ダメなことはダメだということを、はっきり教えてやるべきですよ。親はね、特に父親は、自分の子どもに対して、これを言ったら嫌われるだとか、これをしたら嫌われるだとか、そんなことはどうでもいいんですよ。父親の言うことを理解してもらうのは、父親が死んだあとでいいんです。でも言わなきゃいけないし、やらなきゃいけないんですよ。言って聞かなきゃ、殴らなきゃいけないんです。

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