「ファンクラブは球団の写し鏡!?」10年間プロ野球全球団のファンクラブに入り続けた男の軌跡
#インタビュー #プロ野球
――各球団では、ファンクラブ会員にグッズの送付のほかにも、ファンクラブ限定のイベントなども開催していますね。
長谷川 西武やオリックスでは試合後のグラウンドをファンに開放して、OBの選手がノックをするイベントを企画しています。かつての有名選手が「ナイスキャッチ!」と声援を送ってくれるんですよ。また、他球団でも新入団選手の記者会見への招待や、キャンプ見学、始球式やホームランを打った選手に対する花束贈呈などのイベントが用意されています。
――なかなか楽しそうですね。では、長谷川さんが考える「いいファンクラブの条件」というのは?
長谷川 僕の勝手な思いですが、無料の観戦特典、グッズの品質や品数、サイン会や撮影会などの触れ合い系イベント、ノックやグラウンド見学などの体験系のイベントが満遍なくそろっているのが、最もいいファンクラブだと思います。例を挙げると、オリックスはもらえるグッズはほかに比べて少ないんですが、球場に行けば、たくさんの来場特典があり、さらにさまざまなイベントを行っています。僕は東京在住のため、京セラドームにしょっちゅう行くことができず、なかなか恩恵を受けられないんですが……。もしも大阪在住だったら、一番好きになっちゃうかもしれないファンクラブですね。
――“球界のマザー・テレサ”として、ファンクラブを見続けてきた長谷川さんが考える「真のファンサービス」とは?
長谷川 球場に来たお客さんを、満足して帰らせることです。スポーツなので、ボロ負けすることもあるし、応援している選手が活躍しないこともあります。それでも「楽しかった」と思わせるために、試合とは別の満足感を与えることが大事なのではないかと思うんです。それは、思い出でもいいし、ピンバッジでもいい、体験イベントでもいい。お客さんを手ぶらで帰さずに何かを持ち帰ってもらって、「また球場に来たい」と思わせることが一番のファンサービスなのではないかと思います。このチャレンジは今後も続けて、20年目で第2弾を出せたらいいですね。
(取材・文=萩原雄太[かもめマシーン])
●はせがわ・しょういち
1970年5月13日生まれ。早稲田大学商学部卒業。出版社勤務を経て、03年にノンフィクションライターに。04年よりプロ野球12球団のファンクラブすべてに入会する試みを始め、14年まで10年連続で継続中。現在、「12球団ファンクラブ評論家」の肩書で商標出願中。
●発売記念イベント
長谷川晶一×菊地選手(ナックルボールスタジアム)トークバトル&サイン会
6月25日(水)
開場18:30/スタート19:00
芳林堂書店高田馬場店8F
詳細はこちら<http://www.horindo.co.jp/2014/05/1295/>
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